人気ブログランキング | 話題のタグを見る

MANUKA

chirujirou.exblog.jp
ブログトップ

面白い月初め

なんて面白い月初めだっただろう!


(こ難しいのでこの記事は読み飛ばしてもよいです@@)

*****

12月1日 午前
『なごや環境大学 「動物園で考える生物多様性 ~外来種~」』

最近2週間もかけてアフリカのヴィクトリア湖に関する本を読んでいたこともあって、この東山動物園での講座で特に「メダカがなぜ絶滅危惧種になったのか」の視点から外来種問題を見ることができたのは、本当にタイムリーな出来事だった。

よく言われるようにめだかの激減は「水田環境」の変化に他ならない。
以前は田んぼの横には土壁の水路があり、水田との境目は土手の一箇所に板がしてある程度だった。
そして近代、いつのまにか水路はコンクリート張りになり、
そして現在、田に引く水は水路ではなくパルプから出てくる仕組みになってしまった。
もちろん農薬の使用が与える影響も甚大だ。
徹底した利便・省力性が、稲の生長以外を許さない"聖域"を作り上げてしまったのである。

ただ、じゃぁ田を戻せばめだかが戻るじゃないか、という単純な話ではもちろんなく
「安くて安全な」おコメを求めたのは、他でもない自分たちであり
遠まわしにパイプでの用水輸送を求めたのは、他でもない自分たちの消費行動なのだ。
ここのところを踏まえていないと、議論の始まりにもならない、
生物多様性は自分達が一番中心にいる問題であり、それって大前提なのだ
そういう認識が何よりも必要なのか
そんなことがひどく印象に残った。

***
面白い月初め_e0041624_2584580.jpg

***

もう一つ印象に残った、この質問。
外来種問題を考える上で避けて通れない問いがある。それは、
「外来種の駆除はよいことか、悪いことか」である。

外来種は移入先でただただがんばって生きようとしているだけんじゃないか。
殺すのなんてかわいそうじゃないか。
いやいや元の生物多様性が失われているのだから駆除はしないと・・・
みなさんはどんな意見を持つだろう?

これには正しい答えは、ない。それでも、NZという外来種問題と真っ向からぶつかる国の保護区で働いた身として、俺個人の結論としては「一度人間が生態系に手を加えたのなら、元の生態系はヒトによってしか管理し得ない。駆除はしなければならない人間の責任である。」ということだ。今日の講師も同意見だと言っていたのは、おそらくこの問題にかかわりながら仕事をする状況になれば、こう結論付けるしかないから、だろう。
いまの俺たちに出来ることは、不用意に生態系に干渉した歴史の責任を持つこと、そして今後の外来種侵入を予防することだと思う。

また、講義中どなたかが「各論と総論は一致しない」とはよくいったもので、「外来種がいるのはNG!」、でも「殺すのはいや!」。そんな矛盾した意見を持つ人が多いのが一つの日本の外来種問題の足かせでもある。
NZは、外来哺乳類をどう駆除するかを新聞の一面で取り扱う国だ。
その根っこにあるのは、国を挙げての環境教育体制だと思う。
日本のあしかせを外すのは、この部分の補強に他ならない。

面白い月初め_e0041624_2581632.jpg



外来種問題が、ぐっと身近に感じられたよい講義だった。

(写真は動物園の"裏側"へ潜入!)
by Mr-chirujirou | 2007-12-02 03:00 | 大学時代を楽しもう