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カテゴリ:NZ - 自然保全活動ボラ( 13 )

思い出となったTIRI島

なんて素敵な島なんだろう。
ずっと忘れません。

さぁ
全ての挑戦が終わり
次の挑戦は日本にて。

去年は「挑戦」、
今年は「知」と「伝」の年にしたいと思います。

なんだかやっていけそうな気がするんです。
等身大の自分がこの一年でよく分かった。だからこそ、
そこから立てれる対策の精度もあがるってもんです。


さぁて。
今はというと。。TIRIから帰ってきたばっかで疲れ果ててる。
スーパー行って買い物してさっさと夕食済ませて、バタっといかせていただきます!

タカヘ”the lighthouse gang”
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"weed control"
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"満開のクリスマスツリー、ポフツカワ"
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by Mr-chirujirou | 2007-01-07 15:21 | NZ - 自然保全活動ボラ

『Ark in the park―NZ自然保護の最前線に触れて―』

TiriTiri島にてこの記事を書いてる。12月24日、外からたまに聞こえるKIWIの声以外、聞こえる音はない。

ワーキングホリデーとしてNZに渡航し、7月からNZの自然保護団体で働いてきた。(ツバル滞在、南島旅行時以外)
その中で、10月と12月に併せて5週間現地に滞在し、Ark in the parkという森林公園でボランティアスタッフとして働かせてもらった。そのことについて、読んでいただく方に「伝える」ことを念頭において、感想を残しておきたいと思う。NZの自然保護の理念、難しさ、そして楽しさを理解する一助としてもらえるとほんとうに嬉しい。

まずは、感想を書く前に、どこかですでに触れたと思うのだけど、もう一度NZの自然保護事業とArkについて紹介しておこうと思う。
まず、『Ark in the park』は、オークランドから西に車で僅か30分程度の地帯にある、原生林地帯の一部をメインランド・アイランド事業の一つとして区切った森林保護区のことだ。

メインランド・アイランド事業という言葉に聞き覚えのない方もいるに違いない。
そもそもメインランド・アイランドというのは、NZの環境保護省が最も力を入れている自然保護事業の手法であり、メインランド、つまりNZ本島にありがら、まるで沖合いの小さな島のような「害獣ゼロ・本来あるべき多様な生態系」という特徴をもち、周囲と何らかの方法で隔離された保護地域を創ろうという狙いをもって設立されるものだ。本島にありながら沖合いの島のように周囲から切り離された自然保護区、それゆえ、これらの事業はメインランド・アイランド事業と呼ばれている。
さて、問題となるのはここからだ。どうやってメインランド・アイランドを創り、そして、維持をするのか。実際に参加してきたからこそ声を大にして言える。この事業は、並大抵の努力では創れないし、またそれ以上の努力がなければ維持できない。しかしそれを、NZは今現在いくつもやってのけている。そこに、俺が惹かれた理由があるのだ。

今まで何度も説明したように、哺乳類が進化する以前から大陸から切り離されていたNZは、鳥類の楽園であった。哺乳類抜きの楽園で鳥類は思い思いに進化を遂げ、大型化・フライトレスなどの“楽園”特有の諸特徴を有する種類も多く出た。そこに人類が住み始める過程で数々の哺乳類(ヒトも含む)が突如生態系のトップに居座り、本来の生態系を危ぶめているのが、現在のNZであると言える。
よって、NZでいう自然保護事業というのは、イタチ・ネズミ・ポッサムなどの外来哺乳類の駆除であり、またヒトによって乱された自然環境そのものの再生と言えるのだ。これら2つの目的を比較的達しやすいのが”offshore islands”、つまり本島の森林地帯ではなく周辺海域に浮かぶ島々であったため、俺がまさに今いるこのTiriTiri島のように諸条件の合う島がまずNZ自然再生事業のパイオニアとして整備され、害獣ゼロ&豊富な生物種がいる“サンクチュアリ”が誕生しているのである。

では、本島では自然保護事業は完遂し得ないのか。
その答えは、Noではない、が、限りなく困難である。
その理由は簡単だ。例えば、あなたの実家の近くに大きな雑木林があったとする。その中心部の半径500メートルにいるネズミだけを駆除し、さらに一年間ネズミ0に保ってくれと言われたら、できるだろうか。周りから毎日毎日新しいネズミが侵入してくるはずの中心部だけを、ネズミ0に維持することがどれほど大変か。つまり、メインランドにおける害獣駆除というのは、一度駆除しきってしまえさえすればそれで済む沖合いの島々とは違い、非常に達成困難なのである。考えれば当然だ、NZ中に何億と繁殖してしまったネズミやイタチを、根絶できるはずがない。
その困難な試みを、NZはやってのけている。その最たる手法が、メインランド・アイランド事業なのだ。その注目の内容は、手法別に大きく2種類に分かれる。その一つは、なんと「森をぐるっとフェンスで囲んでしまう」ことだ。これは首都ウェリントンのほぼ中心部に位置するKARORI wildlife sanctuaryがもっとも有名であり、森の一部を巨大なフェンスで区切って内部の害獣を根絶し、そこで鳥類を増やして生物種溢れる本来の環境を作り上げてしまっている。狭義的には、このようにフェンスで囲まれた自然保護区のみをメインランド・アイランドと呼ぶようでもある。
しかし、どの地域もフェンスで地元の森を囲ってしまえるわけがない。フェンス建設には1m毎に100NZドル以上かかると推測される。(KARORIのフェンスの支柱は1m間隔で、一本一本に100ドルを寄付した住民の名前が掘ってあることから推測)。金銭的な問題もさることながら一度囲ってしまうと保護区の拡大が出来ないことなどの諸問題があり、NZの多くの保護区はフェンスで囲うことはしていない。
Ark in the parkもその一つ。フェンスで囲っていない。ただ、地図上で保護区面積を決めて区切っているだけだ。では、どうすればメインランド・アイランドを創り維持できるのか。その2つ目の方法が、「毒餌と罠によって特定区域の害獣を一定ライン以下に維持する」ということだ。外から新たな害獣が侵入してくる以上、根絶することは事実上不可能であるが、限りなくそれに近い数値に落とし続けることは可能ということだ。だが、おそらく今あなたが想像したとおり、いやそれ以上に、この方法には限りの無い集中的な努力が必要となる。その負担を大きく減らすことができるボランティアメンバーは、保護区維持にとても大きな役割を担っているといえるだろう。

手法2を用いてメインランド・アイランド事業を行っているArk in the parkは、数百にも及ぶ毒餌ステーションと、これもまた数にして150個以上ものペスト・トラップ、つまり罠が敷地内に所狭しと設置されている。マップ上に書き込めば地図が真っ黒になってしまうと言っても過言ではない。それほどの数だ。それらを1週間から一ヵ月の周期で点検をするのがボランティアの役目の一つであり、Arkの場合は毎週末月4回のボランティア・デーと、俺のような住み込みのボランティアメンバーによって管理実行されている。事実、俺の仕事の大半は害獣駆除関係であった。

そうしてその区域内に、他の保護地域から譲り受けた希少な鳥類を放ち、かつてその地域にあったはずの自然を取り戻そうと試みているのである。04年whitehead、そして05年にNZロビンがArk内に放たれ、人間の行う害獣管理を手助けに繁殖をしているのだ。害獣数の一定ライン維持、希少種の繁殖という2つの目的が概ね達せられている以上、Arkでのメインランド・アイランド事業は成功していると言っていいだろう。この成功の裏には、一つにオークランド市民の水がめの一つであるダムがArk内にあり、その周囲に手付かずの原生林が残されていた点、また最大都市オークランドに隣接しておりボランティアの獲得が比較的容易であったという、ある種の幸運を持っていたことが大きい。ただ、今後も保護区面積を広げると同時に他の絶滅危惧種も順次放つ計画のあるArkは、これからが維持管理の本番と言っていい。より一層地域や各種団体との繋がりを強くしなければ維持出来まい。この問題はおそらく多くの自然保護事業にも共通するものであり、同時に大変興味の沸く部分でもある。ここに卒論の焦点を当てる決意をしたのはそこに理由がある。

~~~~~~

さて、上で言ったとおりArkでの仕事の大半は害獣駆除関連であった。保護区中にあるBOX型のワナをチェックしたり、マイス・モニタリング、つまりArk内に今現在どの程度ネズミがいるのか足跡を採集する箱を設置・回収したりするのがその仕事内容なのであるが、5週間もの間ひっきりなしにワナをチェックして回るのには正直骨が折れる思いだった。俺が国へ帰った後もこれが永遠と誰かの手によって続けられるのかと思うとぞっとして、管理人の一人であるジョンに「Arkをフェンスで囲う予定はないのか」と聞いたことがある。ジョンの返答は大体こんな感じだ。「金銭的なことはカロリ保護区などの先例があり何とかなるだろうが、フェンスを建てるのはその周囲6Mの森林を切り抜くことになるんだ。そうしないとネズミが枝を伝って内部に侵入できてしまうからね。それにArkの周囲(西オークランド)には原生林が生きる森林地帯が多数あって、今後も保護区を拡大することが可能だ。つまりここArkは、フェンスを建てるには適さないんだよ。」ということだった。まだまだ、害獣駆除は続くということらしい。だが楽観視では決して無いものの、今後保護区の拡大に伴ってより多くの希少種を放つ計画があるこのArkは、将来的に少なからず知名度が上がることが予想される。そうなれば、波になることは十分に可能だ。

もう一つの大事な仕事が、05年に放たれたロビンのモニタリング。
これは本当に楽しませてもらった。以前「Mino1・2」の記事でお伝えしたことがあったけど、彼らの巣を探すのもとても重要な仕事で、夏のNZでは今が繁殖期にあたる。ロビンの習性として彼らは春夏の繁殖期中、時間の許す限り何度も新しい巣を作って子を育てる。一回に産む卵は2個ぐらい、繁殖力のあるペアならなんと1シーズンに3~4回も子育てをするのだ。つまり1ペアが1シーズンに最大8羽も子を育てる。繁殖を望む保護区側としてはとてもありがたいが、実際にモニタリングする側としてはおそろしい繁殖力だ(笑)(といっても、普通は1シーズン2~4羽)。すでにヒナが巣立ったペアがあった場合、おそらくメス親がすでに新たな巣をこしらえているわけで、俺ら住み込みボランティアはそれを一生懸命に毎日探すのだ。
面白いのは人が巣に近づいてくると、彼らは俺が投げた餌(ワーム)を一直線に巣に運ばずわざと迂回して巣の在りかを誤魔化そうとするし、さらに巣の至近距離まで近づくと親鳥が羽の折れたフリを始めて俺(侵入者)の気を巣から遠ざけようとする。非常に賢い。だがロビン界にも単純なヤツはいるらしく、貰った餌をストレーート!、一直線に巣に持っていくようなかわいいやつもいる。彼らを見守るのはとても根気の要って、そして暖かい仕事だった。

07年には、06年に伝染病が原因で放鳥がキャンセルとなったStitch birdをついにリリースし、08年にはKOKAKOをリリースする計画がある。これからのArkは、ロビンだけじゃなくてたくさんの希少種を観察できる先駆的で素晴らしい保護区になるはずだ。今現在でも40種近くの野鳥を観察できるArkだが、これからさらに騒々しい森になるのだ。なんてわくわくする保護区だろう?俺のワーホリとしてのArk滞在は終わってしまったが、きっと、いつか必ず、再訪しようと思っている。


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(写真:非常に賢いポイントT17のオス。人が巣の近くにいる限り姿を隠し、絶対に餌を貰いにこない。足輪はグリーン・メタル・イエローの順に読む)


*********
あけましておめでとうございます
これからももーっとよろしくお願いします。

(今日1月2日はTIRI島での仕事の1day-off。食料買出しにオークランドに戻ってきました、が、また明日の朝一にフェリーでTIRIに向かいます;)

ではでは、
帰国まで2週間きりました。もうすぐニッポン。
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by Mr-chirujirou | 2007-01-02 17:52 | NZ - 自然保全活動ボラ

イエローアイド・ペンギン・トラスト

*2/dec 分かりづらい文章があったため修正しておきました

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(イエローアイド・ペンギン)

NZは南島、その南東部にしかにしか生息しないイエローアイド・ペンギン。
全世界に18種類いるペンギンの中でも、もっとも数が少ないうちのひとつであり、生息数約5000羽。当然絶滅危惧種に指定され、国を挙げて保護されている。

そのイエローアイド・ペンギンの保護に取り組むのが、今回11月29日に1日だけボランティアをさせてもらった yellow-eyed penguin trustだ(以下ペンギントラストと呼ぶ) 。毎週水曜日をボランティア・デーとしており、これら住民からの支援といくつかのスポンサー支援を受けて組織を運営している。
現在の仕事内容は主に生息地の維持、改善だ。悲しいことに羊の放牧のため、ペンギンの繁殖地が一時牧草地帯に変わってしまったという過去があり、そこに植林し繁殖地として再転用することで、ペンギンの数を増やしている。

このペンギントラストのオフィスに直接伺った。そこでスタッフにボランティア関係担当のスタッフの電話番号を教えてもらい、さっそくいそいそと公衆電話から電話をしてみた。
南島のオタゴ地方だけではなく、全国的に有名なこのペンギン・トラストのことだ。きっとボランティア志望者からの電話など日常茶飯事で機械的な対応をされるんだろうななどと思い、電話の直前は「どんな対応されても絶対ボランティアとして潜り込んでやるからな!」と覚悟を決めていたのだが、いざ電話をかけてみたらどうだろう。電話したこっちが気持ちよくなってしまうくらいの大歓迎を電話ごしに受け、ただボランティアの予約をしただけで、本当に嬉しい気持ちになってしまった。実はこのトラストに電話する前日にSPCAという動物愛護団体で一日ボランティアをしたのだが、そのときのスタッフの対応に少し失望していたこともあり、ペンギントラストの素晴らしい対応は本当にありがたいほど嬉しかったのだ。どうやら俺は、NZにおけるボランティアというものを誤解しかかっていたのかもしれない。
もしかしたら俺は、将来的にはボランティアとして仕事をさせてもらう身から、いつかはきっとボランティアを募る身になるかもしれない。そんなときは、きっとこの日のことを思い出すんだろう。自分のしている活動を愛し、その活動を支援してくれる人に惜しみなく感謝をする。こういうことができる人が組織の運営に携わるからこそ、ペンギン・トラストのようにたくさんの住民が惜しみなく、自らの楽しみとしてボランティアに参加してくれるようになるのだろう。

上の文章を書いていていいポイントを思い出すことが出来たんだが、この国のボランティアの方々は、その理由を「自らの楽しみのため」としている方が圧倒的に多いんじゃないかとの印象を持っている。毎週末、決まった曜日・時間に周辺住民が集まり、自らの目に留まる範囲の自然環境を維持する活動を、友達や新しい人間とのおしゃべりを楽しみながら行う。変に硬くて崇高な考えを持っている人はとてもすくないと思う。
ただただ、楽しいから。身の回りのことだから。ほんと、それだけなのだ。

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(ボランティアデーの様子、午前10時のティータイム)

実際、今回のペンギン・トラストの毎週水曜日のボランティア・デーがそうだった。
参加しているのは、イエローアイドペンギンの生息地でもありペンギン・トラストの活動の場でもあるオタゴ半島に住む住人がほぼ全てで、しかもおばちゃん世代ばかりだった。
おばちゃんたちは、よくしゃべる。しゃべるしゃべる。正直なところ海外からの飛び込みボランティアなどそっちのけでおしゃべりしていた(苦笑)。そのくせ、植物の種類や育て方、ペンギン生息地の情報などはびっくりするほど持ち合わせている。彼女達は、ペンギンのエキスパートだったのだ。
この日はたまたまペンギン・トラストのスポンサーであるWWFのスタッフが現地視察に訪れていて、その方がおしゃべり・エキスパートなおば様方に「どうしてボランティアをしているの?」と質問していたので一緒になって聞いていると、「毎回友達と会うのが楽しいのよ」、「自分の育てた木の苗が毎週大きくなっていくのを見るのがたのしいからだよ」なんていう意見が聞けた。オークランドのark森林公園やtiritiri島で出会ったボランティアのおばちゃんたちと、根がおんなじなのだ。
みな、本当に楽しそうにボランティア活動をしているから、こちらまで暖かい気持ちで活動ができた。たった一回しか参加できないのが、本当に残念でならない。

―――――――――――――――

4月に、ダニーデンで残してきた後悔を、取り戻すことができた。
覚えている方がいれば本当に嬉しい。俺は4月下旬にブログで、「しなかったことを後悔するのが一番つらい、ということを知った。」・・こういうことを書いたと思う。
あのときの後悔とは、今だから言えるが「ダニーデンで、NZ人の友達の家に泊まりながら単発でボランティアをしながら過ごすか、何とか長期ボランティアを見つけて働く」という選択肢を、試しもせずに諦めてしまったことだった。少々補足がいると思うのだが、4月、まだボランティア活動を探し始めたばかりのころの俺はダニーデンに行き、ある程度長期でできるボランティア活動を探していた。いくつか団体を訪ねてみたが見つけられず行き詰まり、南島の北にあるネルソンで探そうかという想いが頭を占め始めていた。要は、もっとボラを簡単に見つけられそうなところにさっさと移動してしまおうか、それとももう少し意地でダニーデンでのボラ探しをしてみようか、という選択肢が当時あったのだ。
NZ人でダニーデンに住む友人が部屋を貸してくれるとも申し出てくれていたこともあり、あの時、俺は本当に迷った。ダニーデンに早々に見切りをつけてしまうのは、なんだか負けのような気もしていた。
もしかしたらダニーデンには、もっと探せばボランティアの仕事があるかもしれない。そんな思いを引きずりつつ、結局は早々に見切りをつけて、クライストチャーチ経由でネルソンに向かう決断をしたのだった。

そして、今、その友人の家に泊まらせてもらいながら、SPCAとイエローアイドペンギン・トラストでのボランティアを終えたのだ。

あの時諦めた選択肢を、今、選んでいる。

11月、まるまる一ヶ月の南島大周遊はこれにておわり。
12月からは、再びオークランド地域にてボランティア。
後悔も取り戻たことだ、あとは帰国まで前進あるのみ!
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by Mr-chirujirou | 2006-11-30 14:05 | NZ - 自然保全活動ボラ

Motuora島ボランティア◆帰国日決定◆旅の始まり

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motuora島ボランティア4泊5日のボランティアに、8月に続いて再び参加した。
今回の仕事はnursery work。つまり冬季の植林期に植えるための「苗を育てる仕事」だ。

冬季(8月)にこのmotuora島での植林ボランティアに参加して、植林という森林再生事業の”植林”という仕事の大変さを、身をもって知った。それと同時に、シャベルと大きく育った苗を手にもち、「では、この苗を育てるのにはいったいどれほどの労力がかかっているのだろう」。そういう思いも強く沸いてきたのを今でも覚えている。
いったい「自然再生」には、トータルでどれほどの手間労力コストがかかっているのだろうか?今回motuora島ボラに再び参加したのは、いまだ未経験の「苗仕事」を、なんとしても体で感じてみたかったからだ。

仕事は、いたってシンプルだった。
40cm四方の土の入ったトレイに、ミクロのような小さな芽がわんさか顔を出している。それを一つ取り出しては、一本一本大きめのポットに移し変えていく・・。簡単なようだが、たった3人のボランティアメンバーに課されたノルマは、なんと一日1000本。働く時間は一日3~4時間と短いけれど、体力勝負というよりは精神との戦いだった。
とは言っても、この、小さな苗たちは来年の冬にはボランティアたちの手によって、この島の大地に根付くことを俺は経験でもって知っている。そう思うと、なんだか一本一本の小さな小さな苗たちが、たまらなく愛しく見えてきて、仕事も単調の中に楽しみを見出すことができた。
「大地に住む前に、がんばってこのポットの中で大きくなってくれよー。」
植物には意識があり、世話する相手の感情を汲み取るという。きっと俺が声をかけた苗たちは、10年後には俺の背丈を越えるに違いない。

さて、NZで行われている自然再生、鳥類保護活動。
その中で、
◆[nursery] 植林用の苗を育て (motuora island)
◆[tree planting1]パイオニア種の苗(*)を植林し(motuora, motuihe, motutapu, island)
◆[tree planting]将来林冠を形成する種の苗(**)を植林し(motuora, tiritiri island)
◆[pest control]害獣駆除で鳥類のサンクチュアリをつくり(ark in the park)
◆[monitoring]希少種となった鳥類の生息を見守り(tiritiri, ark in the park)
◆[feeding]その種の繁殖を助ける(tiritiri, ark in the park)

((*)裸の大地から森林を再生する場合、まずは荒地に強く育ちの早い木を植える。基本的な特徴として、あまり大きくならず、低い森林を形成する。
(**)パイオニア種の作り上げた背丈の低い森(=ゆりかご)のなかで、ゆっくりと時間をかけて育つ、大型の木。裸の土地には育たない。将来的にはパイオニア種の森を覆うほど大きくなり、本来そこにあったはずの大森林を形成する。  ・・・つまりは「植林」と一口に言っても2つのパートに分かれるわけだ。)

これら一連の活動に、参加することができた。
ごくごく当たり前のことだけど、最も強く思ったのは、一度壊した自然を取り戻すっていうのは、想像を絶する労力・手間・コストがかかっているということだ。こればかりはいくら言葉や文章にしたって伝わる類のものではない。ニュージーランドで行われているこれらの活動は、自然史的な背景から、若干他国とは違う特有のものだ。その特徴あるNZの自然再生活動を、初心者考えながら、一通りを経験させてもらったということを今、とても嬉しく思っている。早計だとは思うのだが、自分の中では自然再生活動の、森作りの0から始まって生態系再生後の管理の部分までやらせてもらい、「一区切り」が、ついた感じだ。

そして今、強く思っていることがある。
このまま中途半端にかじった程度じゃ、終われない、と。


*写真は、仕事風景。中央にある小さい苗を、手元にあるポットに移し変えていきます。


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さっそくなのですが、帰国日決定。
あんまり厳かにいってもしょうがないのでさらっと言っておこうかとおもう。

1月17日のフライトで帰ります。
よろしくおねがいします(!?)
みんな、暇あるかな?ぜひ会いましょう。

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「旅の始まり」。これには2つの意味を掛けてある。
一つは、「一区切り」がついて、今まさに南島大観光を始めたということ。
そして、もう一つは、俺のワーホリという旅路の始まりの地、クライストチャーチに半年振りに戻ってきた、ということだ。

オークランドから飛行機で1時間半。語学学校をここで通い、3月末のあの頃、自然保護活動を探そうともがきはじめた“始まりの地”、クライストチャーチ。ついに戻ってきた。
全てが懐かしい。毎日通学に歩いたあの通り道、広場、大聖堂・・ 
宿は思い出の深いバッパーが2つあって、どちらに泊まろうか迷ったけれど、結局2月のクライストチャーチ到着初日から何日かお世話になり、初めて友達もできた『city oasis BK』に決めた。最後まで『chester st BK』と迷ったけれど・・ここに泊まっていた4月末頃は、本当に落ちこんでいたっけ。今となっては、懐かしい思い出だ。

あさってから、
アーサーズパスにてアバランチ・ピーク登頂
FOX氷河にて氷河ウォーク
クイーンズタウンにてバンジージャンプ
ミルフォードサウンドにて3泊4日のトランピング(山歩き)
ダニーデンにてアルバトロスのコロニー見学ツアー
とイベントが目白押し。途中で語学学校時代の友人Kさんと合流するつもりだ。

楽しみ。
南島。NZを愛しているのに観光名所にも行った事がない、じゃ情けない。これが今回の旅の動機。思いっきり楽しみます。

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チャーチ滞在中
同じNZブロガーのトミーさん、うっちょさん、t-tohruさんに会うことができた。
皆さん、一緒にビールを飲んでくれてどうもありがとう~~(笑)!
特にトミーさんとはチャーチ滞在3日間ともお世話になっちゃいました。買い物まで付き合っていただいたりして。感謝。うっちょさんも、t-tohruさんも、楽しくお話できて嬉しかったです。本当に、ありがとうございます!
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by Mr-chirujirou | 2006-11-02 07:43 | NZ - 自然保全活動ボラ

Tシャツ

Ark in the parkでの仕事の最終日は、忘れられない一日になりそう。

10月21日(土)は月4回のボランティア・デーで、たくさんの人たちが奉仕をしに集まっていた。
正午ごろになると、担当した仕事が終わった人から順に、集合場所であるレンジャー・ステーションに戻ってきては、昼食として振舞われるホットドックを食べたり談笑したりする。全員が戻ってきて、ひと段落したころに、Ark保護区の管理者の一人であるJohnが席を立ち、みなの前で話し始めた。

何を話し始めるかと思えば、俺の話だ。
そこに座っている彼はここで3週間働いてくれ、そのほかにTiri島などでもボランティアをしている。大学では環境問題を学び、それに関連してツバルにも足を運んでいる。
彼にはすごく感謝している。お礼にこれをプレゼントしたい――。

そういって俺をみなの前に呼び、大きな袋を手渡してくれた。
周りの皆も一緒になって喜んでくれる中、袋を開けると、そこには
「Ark in the park」のロゴが入ったTシャツがあった。

自分の活動が誰かに認められるってのは、この上なく嬉しいものなのだと知った。
今回はそれがたまたま形となって俺の手元にやってきた。
まったく、こっちが感謝したいくらいなのに。


ここでの活動、いや、今までの活動の中から、
一つの夢を、見つけた。

まだ生まれたばかりのたまごで、自分でもこの夢がこの先どれくらい大きく育つのか、分からない。達成しようと思えば、両手の指じゃ足りないくらいの問題を解決しなくちゃいけない。
もしかしたら、ちょっと暖めただけで、すぐ暖めるのをやめてしまうのかも知れない。
でも、俺はそれでもいいと思っている。
きっとこの想いは、熱を失ったとしても何らかの形できっと、次の連鎖を生むだろうから。

大学二年の秋から、自分という人間を真正面から捉え、成長させるという作業を始めて、このごろようやく、少しずつ“もがき”が“かたち”になっているのを感じる。一歩一歩、階段を踏みしめているような今の状況を楽しんでいる自分が、確かに今ここにある。

こういう連鎖をつなげ、階段を昇っていくという苦労を、これからも楽しんでいきたい。

◆生きるためのキーワード◆
*全てのものからの連鎖
*苦労を選ぶ
*学ぶことを恐れない
*言葉を生かす

・・忘れずに。

(次は、10月25-29日まで、モツオラ島にてボランティア活動に参加してきます。それでは、また。)
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by Mr-chirujirou | 2006-10-22 11:53 | NZ - 自然保全活動ボラ

ニュージーランドのウサギとトリ~雑記~

最近“顔の見えない”書き物ばかり更新している気もするんで、ちょこっと雑記みたいなのも書いてみようかと思う。

*最近『Back from the brink』なる本を読んでる。題して「崖っぷちからの帰還」だ。
ニュージーランドの鳥類保護のエピソードを詳しく紹介している本なのだけど、これがまたすごく難しい。1ページに知らない単語10個以上出てくるものだから、1ページ読み終えるのに膨大な時間がかかる。まったくornithologist(鳥類学者)とかmatriarch(<社会>女母長)とか分かるわけがない。変に硬い言葉を駆使する本だけれど、内容が面白いので1、2時間も平気で没頭してしまう。

最初は町で見かけた知らない鳥の名前を知るところから始まって
だんだん生息域やら人口(鳥口?)なんかも気になってきちゃって
今では保護活動の歴史や絶滅した鳥類の歴史なんかまで把握するになってしまった。
誇張でもなんでもなく、おそらく現時点の俺はかなりNZの鳥類に詳しい。
果たしてこの知識はいつか役に立つ日が来るのだろうか(笑)

*俺は日本に帰ると大学4回生が始まり、同時に就職活動も始まるのだけれど、
どうしても企業の内定式とやらに出席している自分が想像できない。いや、べつに就活を恐れているのではなくて、企業に就職している自分がまったく想像できないのだ。
どこか、ぴんとこないというか・・。俺は一匹狼なところが大いにあるから、人と似たような道を進むのがいやなだけかもしれない。この件はまだ、自分の中でも迷走中。

*今は、平日Ark森林公園で住み込みで仕事をして、週末は近くに住むカレンさんのお宅にホームステイするという生活をしているのだけれど、カレンさん夫婦は両方ドクターの癖して、暇さえあればArkで仕事を手伝っているという生活をしている。
先日、ツバルから持ち帰ってしまったらしい原因不明の手あれをカレンさんに発見されてしまい、「明日治療したげるから私の病院おいで!」といわれ病院で手当てをしてもらった。
包帯を巻いてくれる(美人)看護婦とカレンさんやドクターも交えて、お喋りしながら治療をしてもらった。日本の病院ってどうも息苦しい雰囲気があるけど、さすがはNZ、病院の雰囲気は家の居間みたいな感じだ。最後はティーとクッキーも登場して、ここはどこだ、という感情を抱きながら、ポロポリと頂いた。ちなみにNZの医療制度とカレンさんの顔パスによって、代金はただだった。
別に医療費がタダだったから思うわけではなく、最近よく思うのだけど、
どうもNZ(NZ人と国の雰囲気)とは、馬が合う。

*Ark森林公園での仕事は、ペスト・トラップやベイト・ステーションと呼ばれる、要は罠を設置してまわる作業が主だ。
森林公園、と言っても、公園ではなく山林地帯の環境保護区を指す。というわけでトラップを仕掛けてまわるのも、がけを登ったり川を渡ったり、想像以上に大変だ。自分でも驚くほど、毎日山をよじ登っている。
 
*Arkにはゴルフコースもあり、毎日そこの芝生エリアのあちこちでウサギが跳ね回っているのを見かける。野ウサギなどめったに見ない日本人にとって、この上なくほのぼのとした感情を抱く瞬間だ。快晴の空の下、緑豊かに茂る草原に跳ね回るウサギには、とても愛らしいものを感じる。
仕事初日、ウサギを横目に、ゴルフコースはずれにあるレンジャースタッフの小屋でトラップ用の餌を用意した。冷凍庫から取り出したのは、ちょうどさいころステーキのような、四角い肉を冷凍したものだった。
仕事仲間に「この肉はなに?」と聞くと、恐ろしいことに「うさぎ・・」との答え。
まことに恐ろしかった。
野原を駆け回るウサギちゃんは、穴を掘ってしまうからゴルフコースにとっては害獣。ウサギを餌として使えば、トラップ設置の経費もかからないしゴルファーも喜ぶし一石二鳥、というわけなのだ・・。よく見ると冷蔵庫の上から下までウサギで埋まっていた。冷凍庫の冷気も相まって、初めて見たときはほんとうに心からひんやりした。
ちなみにウサギをこの国に導入したのも18~19世紀の人間だ。まったく、人間と言うのはいい加減でエゴそのものなのだ。しかし俺も含め、われわれもその人間だということを忘れてはなるまい。

*今月末からは南島へ再び行く。今度は完全に観光として、だ。
ダニーデンのドンさん、オタゴ大生のS君、一緒にミルフォードサウンドを歩くKさん、そして語学学校時代の友人にもきっと会える。
思い出のあるバックパッカーズホテルにも泊まろう。
もちろん南島にしかいない鳥類も探そう。
来月11月はほんとうに楽しみ。

*10月15日。
日本にいる友人YOKの誕生日。確かこのブログはみてないと思うけど、それでも言っとく、happy birthday!

それでは、また。
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by Mr-chirujirou | 2006-10-15 18:50 | NZ - 自然保全活動ボラ

ロビンを求めて

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住み込みでArk in the parkという森林保護区にて働いています。
週末は仕事休みというわけで、昨日から同じくボランティアのKarenさんのお宅に居候中。
とは言っても今日は一般者向けのボランティアデーがあったんで、週末も仕事でしたが。
毎日森の中を歩き回っています。これが仕事になっちゃうんだから面白い。
宣言どおり、昨年この森林保護区に移植したはかりというロビンのモニタリングと、ペストコントロール(害獣駆除)をしてます。

――――――

大の大人が / たった10数羽しかいない一種の小鳥のために /
ペストコントロールに一日費やし / 生存を確かめるために沢を登り /
山を歩き回って探し回る

/ たった一つの命に夢中になる /

そんなことができるのは、人間だけ。

人間が狂わせた生態系を、今、人間の手によって取り戻そうとしている。

なんて素晴らしい活動なんだろう。

この道のプロになら、一生かけてでもなってみたいな

なんて思っちゃってます。

年配の2人と一羽のロビンを探しに沢を登り、
草木を掻き分けて半日山の中を歩き回っていたとき、我ながら「まったく俺たちはこんなに苦労して何してんだろな」なんて一人苦笑してしまった。
けど、どうしようもなく面白い。面白いんです。
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by Mr-chirujirou | 2006-10-07 16:09 | NZ - 自然保全活動ボラ

いざ、森の中へ・・

本来ならば、ツバルより満身創痍とは言え帰国(NZに、だけど)して
日記も記事も書き溜めているわけだし
話題がホットなうちにツバル記事をUPしたんだけれど。

だけどね 今月の予定

10月3-23日 ARK in the park にてレンジャーまがいのボランティア
10月25-29日 Motuora Island で再び自然保護活動参加

そして今日は2日。
暇がないんです・・・。
というわけで、ツバルの件はしばらくはノートPC内部での記事作成活動だけに専念します。


明日からのArk in the parkでの活動は、もちろんボランティアとしての参加です。
オークランド西部に位置する森林保護区で、敷地は地図を見た限り相当でかいです。
その森林保護区をブロックにわけ、ブロックごとにpest free(害獣ゼロ)にしていく、というプロジェクトを行っている場所なのです。

そして、害獣(ポッサムやイタチ、ネズミ等)を駆除した地域に、絶滅危惧種となっている鳥類を順次放し、将来的にはTiri島のような鳥類の楽園を回復させよう、というのが、このark森林保護区の目標なのです。

現在、nzロビン(コマドリ)が放鳥されたばかりらしく、
「ロビンのモニタリング」が主な仕事だとか。
そのほか、「害獣駆除」や「トラック整備」などもできるらしい。

ARK homepage
こちらで俺の現在位置と(笑)、この保護区の詳細が分かります。
時間があるかたは、ぜひ。

では、いってきます。

せっかくだから、ロビンの写真も一枚載せておこうかな。
こいつを追いかけまわすぞーってことで(笑)
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by Mr-chirujirou | 2006-10-02 14:16 | NZ - 自然保全活動ボラ

タカヘ・キャッチング

(ノートPC復旧、ようやく更新できます。8月下旬に作っておいた記事です。)

あまりに愛するあまり再び訪れてしまった、TIRITIRI島(オークランド周辺に位置する、鳥のオープンサンクチュアリ(詳しくは7月19日の記事に)。今回もボランティアスタッフとしてTiri島に一週間滞在させてもらった。

◆タカヘ・キャッチング
(タカヘについては この記事をチェック)
◆基本的に野生の鳥類に触れることは厳禁であるということは、自然保護活動において大前提といえる。しかし俺は今まで何度も何度も、タカヘのそのふさふさした羽毛に触ってみたい衝動に駆られたことがあったものの、その都度耐えてきた。
そんな煮え切らない感情を押し殺していた中、この島に滞在するDOC(環境保護省)スタッフでさえも「めったにないこと」という“タカヘの身体調査”が滞在中に行われることを知った。むろん「手伝って見る?」と聞かれて断るわけもなく、「もう、ぜひ!(触らせて)」ということで、その活動に参加させてもらったわけだ。
要は健康診断、だけれども、鳥類に詳しい獣医がタカヘの研究のためにこのTiri島に3日間滞在しての、本格的な調査だった。

◆調査は長期戦を覚悟に、早朝から始まる。
まずは何より、タカヘを捕らえなければならない。DOCスタッフが朝から頑丈そうな虫取り網を持って歩いていたから、どうやって捕まえるのかはこちらも承知していた。
ただそーっと近づいてバサッとやるのかと思いきや、専用の撒きエサも用意されており、そのエサに夢中になっている隙に、網を被せて取り押さえるらしい。
悲しいかな、タカヘはやはり動物だ。ヒトが作ったおいしい餌には弱かった(苦笑)。
ある程度警戒はしながらも、餌を撒くと ―いや、撒く前からすでに― 一目散にやってきて、餌のすぐ隣においてあるでっかい網に気付くことなく、食べてる内に網を被せられ捕まっていく。実にあっけない。それはヒトに慣れた年配タカヘに顕著で、多くの若いタカヘは警戒心が非常に強く、かなりの苦戦を強いられることもしばしばだった。
しかしそんな持久戦も最終的には、人間が勝つ(笑)。どのタカヘもエサの誘惑に耐えられず、茂みからトコトコでてきてくれた。

捕まえた後は頭と足をしっかり掴み、ひざの上に乗せて、ようやく“健康診断”が始まる。
血液・糞を採取し、肛門に綿棒を突っ込んで付着物を取り、口ばしをこじ開け口内を診察、そのほか身体に異常がないか、体をくまなくチェックしていく。
もちろんタカヘはじっと我慢してくれるわけではなく、時折激しく暴れようとする。興奮ついでに糞を落として抵抗する(これを採取するわけだが)。なんだか、人間とタカヘの知恵比べのような気もした。

その調査の中で、一匹のタカヘを掴ませてもらった。
診断中、タカヘをひざの上にのせて押さえ込む役だ。
前回この島で会ってからというもの、完全にほれ込んでしまい触れてみたくてしょうがなかった、タカヘ。その憧れの存在を(笑)触るどころか長時間抱きかかえることができて、本当に単純なんだが嬉しくて仕方が無かった。
抱いてみると、分厚い羽毛の下から確かに鈍い体温が伝わってくる。じっとしているように見えて、心臓はものすごいバクバクしてる。足は恐竜みたいで太く、羽もチューブから出したての絵の具のように色鮮やかだ。抱いたのは去年生まれたばかりのタカヘで軽く、色も鮮やかさが若干足りないのだが、おれにとっては記念すべき最高のタカヘだ。
最後に、健康だよと診断されて、意気揚々と草むらの中へ帰って行った。
本人が写っていて申し訳ないんだが、ぜひぜひ俺の人生史に残る、このタカヘを抱いた写真を掲載しておきたい。(顔がニヤけているけど、見逃してやって。)

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誰でも体験できることではないはずだ。ボランティアスタッフとして島に滞在していること、めったにない定期の健康診断が予定されている事という条件がかみ合わなければ、この体験はできない。本当に貴重だと思っている。俺にとっても、本当に忘れがたい体験だった。

さて。
俺が今相当に興味を抱いている鳥類と、それに関わる保護活動とNZの生態系。
この3つを得意としている獣医の、いわば鳥類の専門家の調査を、目の前で見ることになった。DOCスタッフにタカヘの体の各部分について説明していたくらいだから、十二分に専門的な知識を有しているのだろうと推測できる。
調査に同行した2日間、ずっと思い続けたことがある。
「知識を有するってのは、本当に面白い。」ということだ。
単純、だけど、素晴らしい法則。
心から、本当に心からそう思える。自分の興味ある分野の知識を“専門”と呼べるくらいまで高めることができたならば、どんなに楽しい人生になるだろうと思わずにはいられない。もちろん知識を実行に移すための「技術」も必要だけど、技術だけあっても足りないだろう。その前に知識がないと、自分の行動を楽しめないのだから。

実のところ、「専門的な知識があればタカヘにだって好きなだけ触れるんだな!」ってもの単純な俺にはけっこうなインパクトだ。こういう単純な刺激が、意外と、というかやはり、自分には必要なのかも知れないな、とも思う。

話は飛躍するが、自分の日本での身分は「総合政策学部で学ぶ大学生」だ。この学部、物事を広く浅く学べる学部といっても間違いではない。
この学部でたくさんの知識を広く学んで、その後に専門的な分野に進んで深く学べばいい。そういうつもりで俺はこの学部を選んだ。そして今、そろそろ、その“専門領域”を作るための選択肢を造り出さなければいけない時期になったのではないだろうか。


知って、行動して、体験して、考えて、そしてまた新たな知と行動を作り出す。
この一連の動きを、俺の人生の中でもっともっと作り出したい。
まずは、偶然にも出会ったこのNZの生態系というもの。これを掘り下げてみたいと思う。

なんだか連鎖が増えていくようで、とても嬉しい。
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by Mr-chirujirou | 2006-09-10 13:38 | NZ - 自然保全活動ボラ

Motuora島での5日間のボランティア

◆第二のtiri島を目指して。
7月21-22のmotuihe島での植林プログラムと、
7月26-30のmotuora島での植林・自然保護活動を通じてまず気がついたのは、
これらの島は、第二のtiritiri島になる存在であるということだ。

前述のとおり、tiritiriはすでにオープンサンクチュアリとして、絶滅危惧種の繁殖に成功している。ボランティアによって植林された木々も十分に成長し、20年以上の歳月を経ているわけだけど、今回参加したMotuihe,Motuora両島は90年代中盤に植林が始まったばかり。Motuora島にいたっては今年の2月まで牛が飼われていたらしい。

最初にtiri島を経験した俺にとって、まさに「タイムスリップ」だった。

自分が植えた木々が、10年後には鳥類たちの住処になる。Tiri島のような素晴らしい環境がこの島にも生まれる。そう思うと、なんて誇らしい仕事だろうかと、思わずにはいられなかった。

◆今回のボランティアは総勢4名。
アメリカとNZとドイツと日本から、それぞれ一名ずつ。アメリカンに言わせるところの、「international volunteers」だ。たった5日の出会いだったけれど、とても親密になれた。ドイツ人女性から北島旅行行かないかと誘われているので、もしかしたら実現するかもしれない。ぜひぜひぜひ、またみんなと会いたいものだ。
俺は日本語を教え、その代わり相手から英語を盗む。必要なときは質問する。こういう関係も自然に成り立ち、これは余談になるけど、この生活を一ヶ月すればかなり英語は改善するだろうと毎日思っていた。「聞く」「盗む」「使ってみる」、やはりこれだ。

◆面白いことに、4名中3名が、tiri島でのボランティア活動の経験者だった。興味が同じというのは、行動も似通ってくるらしい。

◆KIWI遭遇!!
これは項を改めて書きたいところだけど、ここに簡潔に書いておくことにする。
NZの国鳥、キーウィ。この絶滅危惧種に向かって失礼な話だけど、最初は実はどうでもよかった。茶色で飛べない、夜行性の地味な鳥に興味が沸かなかったのがその原因なんだけど、Tiri島に100羽ほど生息していてると言うので、「見れるんなら見ておこうかな」程度の気持ちで、滞在中の晩に歩いて探し回った。すぐ見れると思っていたのになかなか遭遇できず、じらされるうちにKIWIがどうしても見たくなってしまい―人間心理って面白い―、しかし結局tiri島では7日間歩いたにも関わらず遭遇できずにいた。(よほど運が無かったんだろう)

そんなじらされた気持ちが煮え切らないまま、今度はmotuora島でのボランティア。
この島でも見れると言うんで、毎晩歩いてやるぞと意気込んで歩き始めた初日の晩。
歩いてものの20分で、いきなり遭遇してしまった。
小さなからだにしては不釣合い長いくちばし、ふさふっさした茶色の毛、どこか可笑しなその姿、そしてびっくりして逃げようとあたふたする可愛さ。
いまさらながら、この鳥類の魅力に気付いてしまった。

その2日後には、全速力で追いかけっこをしている2匹のKIWIに遭遇。俺の足元を走りぬけ、草むらへと入っていた。その足の速さの早いこと!低空飛行かと思うくらいのスピードで、その容姿からは想像もできない。

このmotuora島でこんなにKIWIに遭遇できるのは、島は広しと言えど植林されているエリアは限られているからだろう。ちょっと皮肉だけど、“若い”島の歴史が幸いしたともいえる。

◆植林
植林を何度もやってきただけに、かなり的確に、すばやくできるようになった。スキルが溜まったといえばいいだろうか。
植物名は未だに覚えられずに苦労しているが、森林再生の方法は一通り理解したつもりだ。
今後こういった活動に出会うチャンスがあれば、俺は「自信」を持って参加できる。

◆今後のボランティアは
今、NZは冬。この季節は植林にもっとも適した時期だ。だから俺はこんなにも連続で参加できるのだけれど、8月いっぱいでその植林プログラムはだいたい終了するところが多い。
今後は、「プレデター・コントロール」―つまり害獣駆除―の仕事が始まるらしい。
春からは自転車旅行の予定だが、うまく暇を作ってこれらにも参加してみたいと思っている。

思いつくままに書いてしまったけれど、
この3島での想い出は相当に大きなものだ。大事にしたいと同時に、今後に大きく繋げていきたい。
8月はどうやら旅もすることになりそうで忙しくなりそうだ。
もっともっと、この国を知って、体験して、楽しみたい。
体験すること。知識を身につけること。そこから次へとステップアップすること。
まだまだまだ、全ての要素が足りない。誰よりも足りてない。

さぁて、次のわくわくは何かな。
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by Mr-chirujirou | 2006-08-01 17:15 | NZ - 自然保全活動ボラ