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カテゴリ:書物の森を散歩する( 41 )

読書ログ●今年出会った63冊

読書は好きだ。

毎年毎年、大学時代から「年間 読書50冊」というのを頑なに守っている。
50という数字に意味はない。そもそも読書することにルールをくっつける理由もない。

仕事から帰って、出来上がった夕飯を食べて、紅茶を片手に本を開く。
適当にiTunesのラジオをBGMにかけている。
それがどうやら自分に合っていて、目の前の本を読み終えることにその日の意義を見出すことも多い。

今年も恒例、読書リストを残しておきたいと思う。
あぁ、今年も、面白い本が多かったな。
リストをみた人が、この本ちょっと気になるな、読んでみようかなという気になってくれたら、少し、嬉しい。

オレンジ=「今年を代表する5冊」

******

①Jan
銃口(上)  三浦綾子
銃口(下)  〃

想い事。  Cocco
行かずに死ねるか!世界9万5000km自転車一人旅  石田ゆうすけ (2回目)
旅をする木  星野道夫  (2回目)

②Feb
うみよ眠れ(一) ミッドウェー海戦の生と死  澤地久枝
チョコレートの真実  キャロル・オフ

③Mar
変身    東野圭吾
予知夢  東野圭吾
National Geographic 100Best Wildlife Pictures2  日経ナショナルジオグラフィック社編
Love&Free 高橋歩  (∞回目)
時生  東野圭吾
落ちこぼれてエベレスト  野口健
金子みすず童謡集  金子みすず

④April
羊の歌 -わが回想-  加藤周一
パラレルワールド・ラブストーリー  東野圭吾
垂直の記憶 -岩と雪の7章-  山野井泰司
金子みすず童謡全集③ 空のかあさま(上)  金子みすず
その山登り間違ってませんか  上村信太郎
旭川動物園園長が語る命のメッセージ 福井県丸岡町編

⑤May
シャクナゲ よくわかる栽培12ヵ月 NHK趣味の園芸  倉重裕二
都市鳥からフォークロアへ  唐沢孝一
金子みすず童謡全集④ 空のかあさま(下)  金子みすず

⑥June
夢をみて夢を叶えて夢になる  室舘勲
写真集 日本の鳥2003  バーダー編集部
庭で楽しむ野鳥の本  大橋弘一
ミジンコ先生の水環境ゼミ  花里孝幸
人間というもの  司馬遼太郎
この国のかたち(一)  司馬遼太郎  (∞回目)
コウノトリのすむ里 たじま春夏秋冬  神戸新聞但馬総局

⑦July
悼む人  天童荒太
森へ    星野道夫

⑧Aug
河本ぼあらの地球はまあるいよ 女ひとり世界一周旅日記  河本ぼあら
せかいでいちばん美しいもの  伊勢華子
「戦地派遣」変わる自衛隊  半田滋
きもかわくん 不思議でかわいい動物たち
気候変動 +2℃  Think the Earth Project

⑨Sep
中央アルプスの自然  伊那谷学舎
大地の子(一)  山崎豊子
大地の子(二)
大地の子(三)
大地の子(四)
アラスカ 永遠なる命  星野道夫
写真集 日本10名山  山岳写真の会「綾」
ヤマケイ テクニカルブック 登山技術全書② 縦走登山  山田哲哉

⑩Oct
青春を山に賭けて  植村直己
アラスカ 光と風  星野道夫
ソース あなたの人生の源はワクワクすることにある  マイク・マクマナス

⑪Nov
わしらは怪しい探検隊  椎名誠
自然はそんなにヤワじゃない 誤解だらけの生態系  花里孝幸
岳物語    椎名誠
続・岳物語  椎名誠
くらげのくに  水口博也
金子みすず童謡全集① 美しい国(上)  金子みすず
火を熾す  ジャック・ロンドン 

⑫Dec
COYOTE No,34 特集たったひとりのアラスカ  Switch Publishing
重力ピエロ  伊坂幸太郎
エベレストを超えて  植村直己
ぼくの出会ったアラスカ  星野道夫
写真集 一本だたらの森  岡田満
Who? 報道されないアフガンの素顔  久保田弘信
あやしい探検隊北へ 椎名誠

全63冊


*******

"今年を代表する5冊"
銃口 (上・下)  三浦綾子
うみよ眠れ(一) ミッドウェー海戦の生と死  澤地久枝
金子みすず童謡集  金子みすず
ミジンコ先生の水環境ゼミ  花里孝幸
悼む人  天童荒太


特に面白く、記憶に残る5冊を選んだ。
●「銃口」は、戦時中の日本を舞台に、治安維持法のもと思想統制にあえぐ国民を、
実話をもとに小説化したもの。
主人公、その家族、恋人、恩人をめぐる戦時下の人間模様が暖かく描かれ、
それに対比される政府の厳しい弾圧が冷たく、生々しかった。
今年はじめての本だったが、読んだ瞬間から、「この本は今年のベスト作品になる」と確信していた。
今自分たちが住む世界は常に"新しい戦前"だ。そう考えると、過去から学ぶことは多いのではないか。

●うみよ眠れ(一) ミッドウェー海戦の生と死  澤地久枝
星野道夫氏の著書のどこかで、紹介されていた本。
1960年代の作品が、2009年の自分に届いたことに不思議な縁を感じる。
「戦死」という巨大な枠の中にあって、そのひとりひとりの人生を丹念に調査するのは並の苦悩でないはずだ。
ひとつひとつの死んでいった命と向き合う――
この作業は、何か大切なことを記憶するということなのだろう。
この想いは、そのまま●悼む人  天童荒太 の選出とも繋がっている。

●金子みすず氏の作品は、読んだ瞬間から好きになった。
一番最初に読んだ詩を紹介したい。数百ある発表作品の中で、個人的にはイチバンのお気に入りだ。
あらゆるものに贈られる、慈しみや哀しみ・・一言でいえば、優しさ、か。
タイトルは、「大漁」

朝焼け小焼けだ
大漁だ
大羽いわしの
大漁だ。

浜は祭りの
ようだけど
海のなかでは
何万の
いわしのとむらい
するだろう。

●ミジンコ先生の水環境ゼミ  花里孝幸
今まで抱えていた自然保全のための知識は、どれほど人間本位に偏っていたんだろう!
著者の専門である湖水環境をベースに、自然と人間の関わりがわかりやすく語られている。
目からうろこの、環境問題を考える上でぜひ読んでおいたい一冊だ。
今までぜんぜん興味がなく気にも留めていなかった、ミジンコをはじめとする微生物の話も本当に面白い。


・・・今年は本当に面白い本ばかりと出会えた印象だ。
この本棚いっぱいを目指して、来年もたくさんの本と出会おう。
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by Mr-chirujirou | 2009-12-07 21:08 | 書物の森を散歩する

年間50冊&"今年の5冊"

今年の、特に後半は、暇さえあれば本を読んでいた印象がある。

社会人になって、気軽に読書できる時間が激減した。学生時代は通学往復3時間の電車内が読書タイムだった。でも今、自転車通勤をしているゆえ、従来の生活スタイルを引きずっていると、意識しないと本を手にとるタイミングがない。それだけに、今年は常に本を開く時間を意識的に探していたように思う。

「年間最低50冊」――
これはこの先の人生でどんなことがあっても毎年守りたい自分の中のルールだ。
さて、12月も後半に入ってなんとか達成したので、毎年恒例(になったか?)のリストをログとして残しておこうと思う。
以下、「読書リスト'08」。
その中から、「今年の5冊」を挙げる。

..今年はたぶん、相当偏った。汗
オレンジ=秀逸)

***********

バスラの図書館員-イラクであった本当の話-  ジャネット・ウィンター
アフリカの森の日々 私の愛したチンパンジー  ジェーン・グドール
沖縄戦学習のために  阿仁屋政昭
沖縄 世替わり30年写真記録  琉球新聞社
話を聞かない男、地図が読めない女  アラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ
図説 沖縄の戦い
ガンに生かされて  飯島夏樹

沖縄人力紀行-徒歩以上クルマ未満の速度で日本を視る-  藤本亘
ダーリンは外国人  小栗左多里
ダーリンは外国人2
オルカ 海の王シャチと風の物語  水口博也
ツバル ~あなたの大切なものは何ですか?~  山本敏晴

COYOTE No.2 特集星野道夫の冒険  スイッチ・パブリッシング
子どもの隣り  灰谷健次郎
沖縄をどう教えるか  「沖縄をどう教えるか」編集委員会
トヨタの正体  横田一・佐高信
観光コースでない沖縄 戦跡/基地/産業/文化  大城将保也
沖縄は基地を拒絶する 沖縄人33人のプロテスト  高文研
へんないきもの

床下仙人  原宏一
檸檬  梶井基次郎
たそがれ清兵衛  藤沢周平
Alaskan DreamⅠ 星の物語  星野道夫

平和は「退屈」ですか 元ひめゆり学徒と若者たちの500日  下嶋哲朗
愛し合おう。旅に出よう。  高橋歩
黒笑小説  東野圭吾
放課後    東野圭吾

やった。(2回目) 坂本達
この国のかたち 五  司馬遼太郎
popsaurus  Mr.children
フィンチの嘴 -ガラパゴスで起きている種の変貌-  ジョナサン・ワイナー
National Geographic 100 best wildlife pictures 日経ナショナルジオグラフィック社

ノーザンライツ  星野道夫
輝き続ける女性のビジネス  女性ビジネス向上委員会
だから、あなたも生き抜いて  大平光代
俺たちのR25時代  R25編集部
ツキを呼ぶ魔法の言葉 講演筆録  五日市剛

住まなきゃわからない沖縄  仲村清司
海になみだはいらない  灰谷健次郎
知識ゼロからのサイクリング入門  三浦恭資
風塵抄  司馬遼太郎
ワイルドライフ・マネジメント入門 野生生物とどう向き合うか  三浦慎悟
またまたへんないきもの  早川いくを
20代でファーストキャリアを築ける人、築けない人 若鍋孝司
なぜイノシシは増え、コウノトリは減ったのか 平田剛士

フューチャー・イズ・ワイルド 完全図解  クレアー・パイ
余命一ヵ月の花嫁  TBSイブニング・ファイブ編
R25つきぬけた男たち  R25編集部

日本の心を伝える伊勢の神宮  山中隆雄
森の動物の100不思議  日本林業技術協会
心がつくる人生  モラロジー研究所
たった一人の30年戦争  小野田寛郎
感動の田舎泊 田舎で見つけた感動体験  財団法人 都市農山漁村交流活性化機構

計51冊


**********

"今年の5冊"
・観光コースでない沖縄 戦跡/基地/産業/文化
・平和は「退屈」ですか 元ひめゆり学徒と若者たちの500日
・たった一人の30年戦争
・フィンチの嘴 -ガラパゴスで起きている種の変貌-
・ワイルドライフ・マネジメント入門 野生生物とどう向き合うか



大別すれば今年の読書は「戦争と平和」と「自然保全」。
そう偏ってしまった理由はともかくとして、2つにテーマを絞って読んだだけあって
それぞれの分野の「バイブル」とも呼べるような本と出会えたと思う。それが、上記の5冊だ。

沖縄問題を分かりたくて今年の3月に沖縄に行った。
『観光コースでない・・』は、観光スポット以外の沖縄を視たい・旅したい、と願う人にとってまさに必須のバイブルだと思う。そしてその旅で必ずぶつかる、「戦後世代は戦争をどう知ればいいのか」という問いに対して、『平和は退屈ですか・・』は一つの道筋を示してくれる。

『たった一人の30年戦争』の著者、小野田寛郎は、あの有名な戦後30年間たって"発見"された旧日本兵だった人だ。現在は自身のジャングル暮らしの経験を生かして自然塾を開いているそうで、また「生」を題材にした講演会も行っている。たまたまその講演が三重県であって話を聞いたんだけれど、ピシッとした姿勢から発せられることば一つ一つに、ここ最近にはない感動を味わった。30年という歳月を背負ってしまった人間の言葉はあまりにも力がある。本書の最後の一ページは、今年の読書を締めくくるにふさわしい内容だった。

『ワイルドライフ・マネジメント入門』は、日本の自然保全、特に哺乳類と人間の付き合いを、野生生物管理学の立場から探ったものだ。NZなど欧米諸国とはことなり、里地里山に多くの生物がすむ日本は必然的にそれらと人の境界線がゆるく、出会いやすい。自然と人間、とくっきり区別して管理できればどんなにか楽だろう。そんな難解なはずの日本の自然保全の最前線を、とても親切にわかりやすくまとめてくれている。野生生物に興味のある人万人に進めたい一冊だ。
そして、『フィンチの嘴』ほど進化論や鳥類の進化を面白く書いた本を自分は知らない。今後これ以上の本と出会うことはないだろうな、とも思う。これが今年一番の傑作だった。


・・・さて、来年も年間最低50冊。
もうちょっとたくさんのジャンルを読めたらな、と思っている。
おすすめの本があれば、ぜひぜひ教えてください。
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by Mr-chirujirou | 2008-12-21 13:28 | 書物の森を散歩する

読書ロク08 上

社会人になって、よく「どんな本読んでるの」と聞かれる

とたんに頭を抱えてしまう。

どう答えたらいいのだろう? 苦笑

新聞に載ってて興味を持った /お気に入りの著者の本を買った /そのとき偶然興味を持ってた分野の本が目に付いた...本を手にする理由はいくつもいくつもいくらでもあって

それゆえ読む本も多種多様だ。

・・・とまぁ大袈裟にいったけれど、、この場で「こんな本読んでるよ」の返答の意味も込めて、ここに08年上旬の読書ロクを残しておきたいとおもう。

*********

読書ロク'08 上(1-6月)

※秀逸=

1月
バスラの図書館員 -イラクで本当にあった話-  :  ジャネット・ウィンター
アフリカの森の日々 わたしの愛したチンパンジー  :  ジェーン・グドール
沖縄戦学習のために  :  安仁屋 政昭(編)
沖縄 世替わり30年 写真記録  :  琉球新聞社
話を聞かない男、地図を読めない女  : アラン&バーバラ・ピーズ
図説 沖縄の戦い  :  森山康平
ガンに生かされて  :  飯島夏樹

2月
沖縄人力紀行-徒歩以上クルマ未満の速度で日本を視る-  :  藤本亘
ダーリンは外国人  :  小栗左多里
ダーリンは外国人2  :  〃
オルカ 海の王シャチと風の物語  :  水口博也
ツバル ~あなたの大切なものは何ですか?~  :  山本敏晴

3月
COYOTE No.2 特集 星野道夫の冒険  :  スイッチ・パブリッシング
子どもの隣り  :  灰谷健次郎
沖縄をどう教えるか  :  「沖縄をどう教えるか」実行委員会
トヨタの正体  :  横田一、佐高信
観光コースでない沖縄 戦跡/基地/産業/文化  :  大城将保ほか
沖縄は基地を拒絶する 沖縄人33人のプロテスト  :  高文研
へんないきもの  :  早川いくを

4月
(なし)

5月
床下仙人  :  原宏一
檸檬  :  梶井基次郎
たそがれ清兵衛  :  藤沢周平
Alaskan DreamⅠ 星の物語  :  星野道夫

6月
平和は「退屈」ですか 元ひめゆり学徒と若者たちの500日  :  下嶋哲朗
愛しあおう 旅に出よう。  :  高橋歩
黒笑小説  :  東野圭吾
放課後  :  東野圭吾


・・・・合計27冊

********

前半に沖縄関連の書籍がまとまっているのは、卒業旅行で戦争の追体験をしに沖縄にいったからだ。観光以外の面を知れば知るほど「沖縄」にハマっていった。
「沖縄」そして「沖縄戦」は、おそらく一生続く興味の対象になると思っている。
そういう点で、その興味を押し上げ、現地で強力に後押ししてくれた『観光コースでない沖縄』という本との出会いは、本当に価値あるものだったと思う。


上記の本ではないけれど、
今現在読んでいる最中の『フィンチの嘴』はとてつもなく面白い!

「種の起源」を書いたチャールズ・ダーウィンが、そのインスピレーションをガラパゴス諸島でたった1種から14種にまで進化したフィンチという鳥から得ていることはよく知られている。

その逸話を軸に話がテンポよくすすむのだけれど・・。よくよく読んでみるとどうやらこのダーウィンの伝説は話が"膨らみすぎていた"ようで、「ダーウィンはガラパゴスで進化論を悟った!」系の、よく聞く逸話は相当な誇張表現なのだそうだ。 
なんとも、いままでの自分の中の常識が、ページをめくるごとに崩れてゆくのがたまらなく楽しい。それが自分の興味の的である「進化論」の、幹のようなゆるぎない事実であったならなおさらだ。

*******

社会人になって ある程度まとまったお金を使える今、
月に2冊は必ず本を買うようにしている。
まずは、目指せ本棚いっぱい、だ。
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by Mr-chirujirou | 2008-07-01 21:38 | 書物の森を散歩する

「ORCA」

『なんで日本人は捕鯨をし続けるんだ?』

NZの鳥類保護区での生活の際にNZ人からこう何度か問われ、
しかし明確な回答ができなかった(持っていなかった)――
この出来事はいまだに自分自身の中に深く刺さったまま、
「捕鯨問題」は一つの大きなテーマになっている。

その線上で以前「捕鯨問題」についてブログ上でもまとめを書いたが、
日本国内においては比較的容認側の意見しか収集できないこともあって、今は違う視点でこの問題を捉えてみようかと考え、読書の幅を少し増やしている。

つまり、捕鯨問題という切り口からの情報収集ではなく、もっと広く海洋哺乳類と、その研究者らの言葉を知ろうと考えるようになった。

・・と書くと威勢はいいけれど、要は捕鯨を意識するうちに、海洋の生物たちにも興味が湧いてきて、ただただその興味に従ってアンテナを張っている、というわけだ。

今日読み終えた「ORCA-海の王シャチと風の物語-」は、自分の持つ疑問や興味に対するそれなりの答えが載っていたので、少し紹介しておきたい。

*******

まずなんで今シャチなのかというと、数日前にシャチの研究で世界的に有名な方が来日していたことを知って、純粋にどんなもんかと興味を抱いたのがきっかけだった。その方(ポール・スポング氏)の著書が図書館に見当たらなかったから、代わりに借りてきたのがこの「ORCA」だった。

まずまず、ORCA(オルカ)という耳慣れない言葉は、「シャチ」の別称だ。

シャチは英語に直すとkiller whale(殺し屋クジラ)などとドきつい名前なのだが、
その実とても知的で温厚であり(もちろん肉食なので捕食シーンの切り取り方によっては"残虐"だが)、killer whale(=シャチ)という名前は偏見だ、との意見から、学名をとって「オルカ」という名で呼ばれるようになってきている。

著作中でも、研究者の視点からその知的な性格が暖かい口調で描かれている。
家族単位で行動する社会性をもち、子が母に甘え、兄弟同士でじゃれあい、海藻を体に巻きつけて遊んだりするその姿は、テレビから得る一般的な凶暴なイメージとはかけ離れたオルカの姿だろう。

また、著者の乗るカヌーに興味を示した数頭のオルカがカヌーと一緒に泳ぐシーンがあり、
普段は豪快にジャンプして大波を立てるオルカが、明らかにカヌーに配慮をした穏やかなジャンプをし、持ち上げた尾びれがカヌーにぶつかりそうになると方向転換してカヌーを守るなどの行動を見せてくれたという。彼らに同調して穏やかにカヌーをこぎ進める著者の姿が目に浮かんだ。

著者を含め、カナダ沿岸でオルカの研究をする人々の、海洋哺乳類に対する冷静ながらもこれ以上ない愛情に満ちたまなざしも、この作品では描かれている。今まで人間を支配してきた「追う-追われる」「獲る-獲られる」の視点に疑問を抱き、他の生命をどう利用するかという観点ではなく本来備わっている価値から見ようとする動きが登場人物たちの根底には流れていた。

******

近年エコツアーと称してホエールウォッチングが盛んに行われている。
作品で登場するカナダ西部の海域でも、シャチの見学ツアーは大盛況らしい。
一見手放しで喜べることではあるが、「もっと近くでみたい」という単純な欲求が、
結果としてかれらに与える影響は大きいと著者は語っている。

彼らの生き方を深く理解したとき、僕らの価値観や態度も、少しずつ変化してゆくのかもしれない。


捕鯨問題を考えるとき、日本(政府)は概してクジラを資源をとらえる。
古くから伝わる伝統的な捕鯨文化を持っていることが、
日本人に欧米人よりクジラの知識を持っているという概念を植え付ける。

自分は資源というとらえ方も日本の捕鯨文化も、否定しない。
それどころか尊重すべきものだと、今でも思っているし、きっとこの思いは変わらない。

「欧米人は感情でものをいっている」そう批判することはた易い。
でも、その「感情論」の根底に流れる、いきものとの繋がりある関係を構築しようとする意思を、一度立ち止まり、見直す必要があるのかもしれない。


今の自分の考えとしては、
調査も含めて、捕鯨行為そのものにはまったく問題はないと思う。
ただ、日本が「伝統的な捕鯨国」の看板を引っさげて南氷洋にまで出かけことには、
日本の伝統の点からも、捕鯨の必要性そのものにも疑問を抱いている。

海洋生物を資源としかみない、もし日本がそのような価値観を前面に押し出すとすれば、
温暖化対策のまずさも含めて世界的にも稀な環境後進国になってしまう。

参考『オルカ-海の王シャチと風の物語- 水口博也』

:::::


あれ・?本の紹介のつもりが。。
論点のあいまいな文章ですみません、、 それでは、また。
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by Mr-chirujirou | 2008-02-08 10:51 | 書物の森を散歩する

読書ロク 07下

昨年07年度の目標読書数は100だったけれど、

結果・・・07年は91冊。

年末の3週間にほとんど本が読めなかったのが響いたなぁ。。。

うーん、読書100冊は大学生時代に一度は達成したかったけれど、
社会人に持ち越しです。またいつかの年、再チャレンジしよう。


昨年5月中旬に一度「読書ロク上」をアップしているので、
今回はその続きから。

(そうそう僕の中でルールがいくつかあるのだけど
・一年以上あけて再読する場合は「一冊」にカウント
・写真集も含める
・完全に読みきったものだけカウント などなど。)


=秀逸
オレンジ=星野道夫 関連作品 (多いので)
=東野圭吾 作品 (同じく多いので)

**********

5月下旬
魔法のことば : 星野道夫
写真集 日本の鳥2005 : バーダー編集部
でんきを消して、スローな夜を。100万人のキャンドルナイト : マエキタミヤコ

6月
うめめ : 梅佳代
日本の自然保護 尾瀬から白保、そして21世紀へ : 石川徹也
天国に一番近い島 : 森村桂
旅をする木 : 星野道夫
世界遺産の町 クスコで暮らす : すずきともこ
星野道夫の仕事 第1巻 カリブーの旅 : 星野道夫
天使の耳 : 東野圭吾
容疑者xの献身 : 東野圭吾

子ぎつねヘレンがのこしたもの : 竹田津 実

7月
中谷彰宏 金言集 : 中谷彰宏
ルポ・日本の生物多様性-保全と再生に挑む人々- 平田剛士
水は答えを知っている その結晶に込められたメッセージ : 江本勝
百年の愚考 : Think the earth project
Itと呼ばれた子 幼年期 : デイブ・ペルザー (2回目)

8月
日本の鳥2000 : バーダー編集部
国家の品格 : 藤原正彦
星野道夫物語 アラスカの叫び声 : 国松俊英
東京に暮す1928-36 : キャサリン・サンソム

9月
鳥が教えてくれた空 : 三宮麻由子
男子 : 梅佳代
モロッコでラマダーン : たかのてるこ
手紙 : 東野圭吾
長い旅の途上 : 星野道夫

10月
白夜行 : 東野圭吾
ムツゴロウ世界動物紀行ニュージーランド・中国篇 : 畑正憲
湿原の神タンチョウ : 中地茂
The sence of wonder : レイチェル・カーソン
続・ドロップアウトの偉い人 : 森永博志
宿命 : 東野圭吾
怪笑小説 : 東野圭吾

毒笑小説 : 東野圭吾
行かずに死ねるか!世界9万5000km自転車ひとり旅 : 石田ゆうすけ
カカシの夏休み : 重松清
いちばん危険なトイレといちばんの星空 : 石田ゆうすけ
僕の村の宝物 ダムに沈む徳山村 山村生活記 : 大西暢夫
ガンジス河でバタフライ : たかのてるこ
星野道夫 永遠のまなざし : 小阪・大山

11月
ダライ・ラマに恋して : たかのてるこ
つながるいのち 生物多様性からのメッセージ : 日本環境ジャーナリストの会
諫早の叫び よみがえれ干潟ともやいの心 : 永尾俊彦
秘密 : 東野圭吾
世界がもし100人の村だったら : 池田香代子
ヤンバルクイナの見た夢は 金城吉男写真集 : 琉球新聞社
天国で君に逢えたら : 飯島夏樹
Big smiles! 世界の笑顔に恋している : たかのてるこ
Michio's Northern Dream1 オーロラの彼方へ : 星野道夫
ダーウィンの箱庭 ヴィクトリア湖 : ティス・ゴールドシュミト
12月
モンキー・ムーンの輝く夜に : たかのてるこ
増山たづ子 徳山村 写真全記録 : 増山たづ子
割り箸が地域と世界を救う : ジュオンネットワーク
Michio's Northern Dream2 ラブストーリー : 星野道夫
ECO検定 公式テキスト : 東京商工会議所
Michio's Northern Dream3 最後の楽園 : 星野道夫
ぼくの出会ったアラスカ : 星野道夫


*************

やはり帰国後という絶妙なタイミングで星野氏の著作に出会えたのは幸運だったな、
との想いがあるけど、これについては散々語ったので今回は控えておこう笑

新鮮で面白かった、と言う点では
東京に暮らす1928-36」がまだ頭の片隅に鮮烈な記憶として残っている。
ひょんなことで東京に暮らすことになったある外国人女性の日本生活記なのだけど
ふっとした何気ない描写のなかに
例えば片手にソバを担いで自転車をこぐ料理人や
庭の木一本に情熱を注ぐ庭師がいて、
また枯れた草木に見とれる日本人を「不思議な感性」とみたり
・・・
なんと言うか今となっては映画の中の物語でしか出会えない日本の原風景が
経験者、それも外国人の視点から
ほのぼのと・生き生きと描かれているのがたまらなく新鮮だった。
当時のニッポンが匂いを通して伝わってくる感じ。

・・・とまぁ読書について語りだしたらきりがないので辞めておこう。

只今、卒論で読書は休止状態なのだけど
既に「ウェイティング・リスト」メモに20冊くらい溜まっていて。。
あぁ本読みたいな。

それでは
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by Mr-chirujirou | 2008-01-07 04:59 | 書物の森を散歩する

ヴィクトリア湖の話

これは面白い!

映画『ダーウィンの悪夢』から派生した興味が、いま自分のなかで完全に花開いている。

映画ではヴィクトリア湖の生態系と周辺住民の生活サイクルの攪乱の元凶となったナイルパーチの話が主だった。そこでふっと思ったことは、至極単純、「ヴィクトリア湖をもっと知りたい」ということだった。 

調べてみると豊田市図書館に一冊関連書籍があって、― それは10年前に外国人によって書かれた生態調査ルポだったのだけれど― 、4分の1ほど読んだ今、その内容に驚かされてばかりなのだ。

カンタンに説明しておくとヴィクトリア湖というのはアフリカ大陸最大の淡水湖で、大きさはスイスほどもある。他の湖と接続したことが過去になく、そのためそこに住む水生生物は思い思いの進化を遂げ、『ダーウィンの箱庭』と形容されるほどの生物の多様性と固有性を獲得していった。
ただ、一杯のバケツに入れられやってきた外来魚(ナイルパーチ等、全長2m~。)がこれら特異な生態系を壊滅に追い込み、周辺住民の社会生活に貧困と荒廃をもたらしてるのが現状である・・


・・・・とまぁ説明はこのくらいにして、本の中で語られていたことを少し紹介したい。

ヴィクトリア湖では50年に一度のペースで新種の魚が生まれてきており、それは現在も続いているそうだ。その進化論の代名詞とも言える魚「シクリッド」は確認されているだけで300種以上に分化し、いまも進化が続いている。
(余談だが本の中ではシクリッドの解明に没頭する分類学者の苦悩がメインで描かれており、本当に面白い。言い換えれば「ダーウィンの悪夢」前夜のヴィクトリア湖の話だ。興味のある方は読んで見て。)

まったく進化論の島、ガラパゴスのダーウィン・フィンチ(元は同じ種なのに生息する島によって特徴が分化した鳥類)の話もかすんでしまうような途方も無い進化劇だ。


さて300種にも進化するとなると、争いを避けるために生息域や食性の違いが顕著になる。
特に食性の違いの話は面白く、
"藻類剥ぎ取り屋"だけで10種のシクリッド、"巻貝壊し屋"だけで21種―しかも取り壊しタイプと取り出しタイプに分かれる―、ほかにも"昆虫屋(昆虫食)"29種、"プランクトン屋"21種、"魚捕り屋(魚食種)"134種などがあり、特に魚食種には"稚魚専門"や"うろこ剥ぎ取り専門"など、分化が面白いほど著しい。

シクリッドのメスは基本的に自らの口の中でたまごを暖め子どもを孵化させる。
しかし調査中、ときどき胃の中からたまごがたくさん出てきた種が採取された。
つまりたまご専門のシクリッドがいることがわかったのだ。
しかしメスの口の中という安全な孵化場からどうやってたまごを奪ったのか。
・・調査を進めるうち、彼らはメスを殺すのではなく、雌の口元に体当たりできるように体を進化させ、メスからたまごを奪いやすいよう適応していたことが判明したのだ・・。

祖先はたった一種の魚、
それが300種もの多様な魚に進化したヴィクトリア湖。
実は現在ナイルパーチ等外来種の影響で100種以上が大絶滅したらしい。
人間の社会環境劣化の件も含めて、今後も大いに興味をもって見守って生きたい。


参考文献:「ダーウィンの箱庭 ヴィクトリア湖」ティス・ゴールドシュミット著、99年
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関連書籍・DVD
『グローバル化と奈落の夢』 リンクはこちら
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by Mr-chirujirou | 2007-11-19 21:29 | 書物の森を散歩する

読書ロク 07上

【本のキロク 07年上半期】
以前からずっと書こう書こうとして、ついつい5月も終わりになってしまった、「読書ロク」。
今年は上・下の二回に分けてキロクします。

年間100冊が目標。
五ヶ月経過で、現在36冊。

じっくり、そして早く読むことって実はスキルというか経験がいるように思う。
継続は、その先々の力になりそうだ。

(青:秀逸 / オレンジ:星野道夫著書)

**********

1月
大本営が震えた日 : 吉村昭
よくわかるクジラ論争 捕鯨の未来を開く : 小松正之
トキ 永遠なる飛翔 : 近辻宏帰
最後の伊賀者 : 司馬良太郎

2月
ニュージーランドの環境保護 楽園と行革を問う : 平松
若者たちへの心路指導 : 管沼義一
「何が言いたいか」をスッキリ伝える人になる : 中島孝志
伝わる・揺さぶる!文章を書く : 山田ズーニー
こころがスーッと軽くなる本2 : 斉藤茂太
ツバル 海抜1メートルの島国、その自然と暮らし : 遠藤秀一

3月
文明崩壊(上) : ジャレド・ダイアモンド
21世紀に生きる君たちへ : 司馬遼太郎
梟の城 : 司馬遼太郎
未来への地図 新しい一歩を踏み出すあなたに : 星野道夫
星野道夫著作集1 : 星野道夫
星野道夫とみた風景 : 星野道夫・直子
アラスカ 光と風 : 星野道夫
MOOSE(ムース) : 星野道夫
イニュニック アラスカの原野を旅する : 星野道夫
砂場の少年 : 灰谷健次郎
写真集 日本の鳥2003 : バーダー編集部
写真集 日本の鳥2002 : バーダー編集部
セックスボランティア : 河合香織
外来生物が日本を襲う : 池田透


4月
不可能を可能にする人生論 : 赤塚充良
人と地球よ、蘇れ! : 赤塚充良
この国のかたち(四) : 司馬遼太郎
ほった。 : 坂本達
アラスカ・風のような物語 : 星野道夫
WING 野鳥生活記 :和田剛一

5月
アフリカ旅日記 ゴンベの森へ : 星野道夫
表現者 : 星野道夫
魔法のことば : 星野道夫
写真集 日本の鳥2005 : バーダー編集部
コウノトリ再び空へ : 神戸新聞総合出版センター
100万人のキャンドルナイト : ブルーオレンジスタジアム
 

**********

本と縁

こうして並べて見てみると、いままで、これ以上ないタイミングで最適の本に出会ってきているように思う。

例えばNZ渡航前に「太陽の子(灰谷健次郎)」や「流学日記(岩本悠)」などに出会えたことは、その翌年の身の振りに少なくない影響を与えたし、逆に言えば今「流学日記」を読んだとしても、最初読んだときの衝撃とは程遠いものになるに違いない。

今、将来の道を精査し必要な経験を積み始める段階に入ったこの時期に、星野道夫の著書に出会うことになったのも、きっと、まったくの偶然ではない。

この出会いの積み重ねがどういう影響を与えるのか
それは今、言葉に直す必要はないと思う。
もっと先になって、あぁ、あのときの出会いはこんな意味があったんじゃないかな
そんなことをふっと思える瞬間を楽しみに、
読書はまだまだまだまだ続けたいと思う。
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by Mr-chirujirou | 2007-05-23 11:37 | 書物の森を散歩する

読書メモ:星野道夫著作集1

久しぶりに読み終わりたくないと思わせる本(いや、著者か)に出会った。

もっと読んでいたい、読み終わりたくない、繋がっていたい。

こう想うとき、何百回と繰り返してきたはずのページをめくる動作が急に

新しい意味を持つようになるから不思議だ。

一枚一枚惜しむように丁寧にページをめくり、今日、読み終えた。

読書は、目に入る言葉、その一つ一つに命を吹き込むということだ

能動的な読書ほど 心揺さぶるものはない。


***

・・星野道夫もまた、「遠くへ行きたい」いう衝動を抑えがたく持っている人だった。
それがいちばん最初にあった。
その衝動が彼の「北」への憧れを引き起こしたのだろうし、シシュマレフ村へ行き、アラスカ大学留学にまでおよんでいるのだろうと思われる。

衝動が行動を呼び起こし、行動は経験を生む。
経験は積み重なって、つぎの新しい経験を準備する。

――『星野道夫著作集1』 解説 より――

***

出来ればこの方の作品にもっと早く出会いたかったな。
もっと彼の作品を読みたい。

明日は朝一に豊田市図書館へ!


***

翌日追記:

4冊も借りてきたー。
読みふけるぞーと!
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by Mr-chirujirou | 2007-03-14 20:34 | 書物の森を散歩する

読書メモ: ツバル-海抜1mの島国、その自然と暮らし-

『ツバル -海抜1メートルの島国 その自然と暮らし-』


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最近にわかに「ツバル」という国が注目されるようになってきた。
NHKの特集や、時には民放のニュースでも、見ることができる。
最近では女性向けファッション雑誌なんかにも「ツバルの危機」が記事となって、
まだツバルというその存在すら知らない人々にまで、情報が届くようになってきた。

そうした情報に触れて、「ツバルってどんな国なんだろう?」と疑問を抱いた人が最初に手にする本として、私はこの本をお薦めしたい。
約40ページと薄く、内容も写真を中心にして説明が加えられている。ニュースでは「温暖化に沈む国」としか形容されないこの国がいったいどんな素顔を持っているのか、それを知り、その上で温暖化問題とツバルを考えることができる一冊だと思う。

ツバルってどんな国なんだろう?
そう思っている方は、堅いことはひとまず抜きにして、手軽に手にとって見てはどうだろう?


************

・・俺がアマゾンの本のレビューに投稿した文をそのまま載っけてみた。(手抜きでスミマセン; 掲載は4日後らしいけど)

著者の遠藤秀一さんが、表表紙の裏側に書かれている言葉にあっとおもった。
以下に引用

(前略)・・ツバルに危機が訪れようとしている。地球温暖化のために海面が上昇し、様々な問題を引き起こしているのです。研究機関の報告では島は100年後には海中に沈んでしまうと言われている。・・(中略)・・。「知らなかった」では済まされないこの大きな問題を、ツバルの美しい自然や活き活きとした人々の表情を紹介しながら、みんなで考えていきたい。


俺が考えている「ツバルを伝えるにはどう情報発信するべきなのか」という問いの答えと、ピッタリ一致するのだ。
何事も、ある対象を「守る活動」っていうのは、その対象を知って、そこに愛着や愛を感じることから始まるのだと思う。「なくなって欲しくないなぁ」と思うからこそ、ヒトは動く。
だからこそ、こうした写真集のように敷居の低い入り口を設けて、まずツバルの持つ美しい部分を知ってもらう活動が必要なのだ。

ニュースでツバルを知る(ほぼ100%温暖化問題の被害国として)
    ↓
どんな国だろうかと興味をもつ
文化や生き方を知って、こんな国もあるのか、と知識をより深める
なくなって欲しくない、という想いが芽生える
    ↓
興味の段階から脱け出して、アクションにまで結びつける

こういうステップが必要だと思うのだ。
最近の温暖化被害国としての一面ばかりを語るニュースは決して最良の”キッカケ”だとは思わないが、そこから疑問を抱いたヒトが、こういった敷居の低い紹介本を読んでくれることを、切に願っている。
また、キッカケを”配る”のも、重要な活動だ。先日女性週刊誌にツバル記事が載ったことをここでも取り上げたけれど、こうやって本来のツバル関連ニュースの”土俵外”にまで情報が発信されることは、本当に意義のあることじゃないだろうか。


自然保護のフィールドだっておんなじだ。
何より「愛着」を持ち「なくなって欲しくない」という想いを持つことが最重要なのだと、NZでの活動から学んだ。その気持ちを芽生えさせる方法の一つとして、「世代をまたぐ保護区でのボランティア活動」というのがある。つまりは子どもの頃から親と一緒に保護区で植林などをすることで、子どもたちに「ここは私と一緒に育った保護区」、という概念を持ってもらう、ということなんだけど、もしかしたらこういう自然保護のフィールドで学んだノウハウも、ツバルに関する情報を発信する上で役に立つのかもしれない。
少し考えてみよう。

ちなみに、このブログのカテゴリ「ツバル 徒然なるままに」も、こういった意図(愛着をもってもらいたい)で、温暖化被害国としてのツバルより、生のツバルをお伝えすることに主眼を置いているつもりだ。あまりいい文章ではないけれど、少しだけでも楽しんでツバルを知っていただきたいとおもう。


****************

最近強く思っているんだけど
本格的に文を書く訓練みたいなことをしてみたいと思ってる。
別に傲慢な思いから来ているわけではなくて、むしろその逆、
今の俺はあまりに書く文章が稚拙すぎる。

いろいろ考えてみたけど、将来的には俺は情報を発信できる人間になりたい。
・・って言うとすんごい抽象的な答えだけど、
要は自分の経験を自分の言葉や文章、写真なんかで世の中に語れる人間とういことだ。

人間ホンキで「やってみたい!」と思えるものに出会えることなんか、めったにない。
今せっかく出会いかけてるんだから、この出会い、逃さないようにしたいのだ。


****************

あれ?? 本のレビューを書くつもりが(笑
みなさま、読んでくれてどうもありがとうー!
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by Mr-chirujirou | 2007-02-25 21:54 | 書物の森を散歩する

【チョッちゃん】

テレビ番組「ポチたま」にて紹介されていました。
この出会いを風化させる前に読もうと、番組終了直後にアマゾンにて注文。

忘れられない、本と出会いました。
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【チョッちゃん】

読書開始日:'07.02.01
読破日   :'07.02.03

どんな物語か。最近注目されているようだが、まだまだ知らない方も多いだろうと思う。まずは、以下のあらすじを読んでいただきたい。
ある程度内容を公開しようと思ったのは、たとえ知ったとしても、決してその読後に感じる気持ちは薄れたりしないと考えたからだ。

・・・・・・・・・・・
ある日、「文恵さん」がいつものように、家の前でノラ猫たちにえさをやっていると、少し離れたところからじっと見ていた犬に気がついた。

毛が抜け、やせこけた姿。えさを与えると、驚くほどの量を平らげ、消えていった。次の日も、また次の日も、その犬はえさをもらいにやってきた。

「ノラ犬かしら」「今どき、飼い犬がよその家にメシをもらいにこないだろう」

不思議なことに、毎日大量のえさを食べるにも関わらず、一向にノラ犬はやせこけたままだった。
気になる夫妻はあれこれ推察しあう。ある日、いつものようにえさを食べ終えると、そのノラ犬は帰る道にまっすぐ進まずに、何度も何度も立ち止まり、「文恵さん」の方を振り返った。まるで「ついて来て」と言わんばかりに。「文恵さん」は、ノラ犬の後を追っていった。

犬は、近所の廃屋に入っていった。
そこで「文恵さん」が見たものは、自分の食べたものを一気に吐き出し、数匹の子犬にえさを与えている母犬の姿だった。その犬が今まで食べていたものは、子犬の食料だったのだ。

夫妻は心を打たれた。だがほどなく、廃屋の隣のマンション住民が、このノラ犬親子を保健所に捕獲してもらおうとしていることを聞く。

「なんとかならないものか」。
思案を重ねる西井夫妻だったが、このような周囲の状況を察したかのようにチョッちゃんは驚くべき行動に出た。

子犬を一匹ずつ、西井夫妻に託しにやってきたのだ。
廃屋では人間が子犬に近づこうとするだけで噛み付こうとするチョッちゃんが、一人の人間に子犬を託したのだった。

こうしてチョッちゃんと子犬の1匹・マルは、西井家の飼い犬となった。他の子犬2匹は知人宅へ無事もらわれていった。
・・・・・・・・・・・・


この実話は、種などという枠はまったく必要としない。
よくよく考えれば、「種」などという言葉も、人間が作り出したもの。
線引きに使う道具だ。

俺を含め、たいていの人間は「母犬が子犬を人間に託した」という話を
感動をもって受け止めるだろうと思う。
しかし、ここにはヒトの過信があるように思う。
ヒトを生態系の絶対的なトップとみなす、’過信’だ。

トップではなく、その一員。
”種”というカテゴリーを取っ払ったとき、
「感動」は、「尊敬」に変わる。

きっといつか自然界に真剣に向き合い
自分以外の「生命」の生き方に触れるその時は、
今持っているヒト特有の「過信」を捨てるべきじゃないだろうか。
ニュージーランドで、この想いを新たに実感として得られるように
俺は行動を起こしてみたい。

・・・・・・・・・・・・・

チョッちゃんが「文恵さん」夫妻の家に定住をはじめるようになると、
散歩の際、「この犬は’あの犬’ですか?」と聞かれるようになった。
実は、多くの近所の人が陰ながら、チョッちゃんのことを心配し、見守っていたのだ。チョッちゃんをめぐる、町民同士の新たな暖かい交流も、この本は描く。

まち。一見無機質に見えるけど、とっても広い目で見れば、
それは一種の生命体のように思える。
ヒトの行動が鼓動であり、交流によって血液を流している。

チョッちゃんが起こした行動は、まちの鼓動を高まらせ、血液を循環させ、
そこに暖かさをつくった。
新たな交流はそう簡単には途切れないだろう。
その暖かさは、きっとずっと続くんだ。
そう考えてると、
チョッちゃんの生への真剣な行動は、多くの生命を幸せにしているんだな、と気づく。
(でも本人にとっては、母親として生命として、きっと”当然の行動”。)

俺の目指したい生き方を、体現している。

同じ’命’を持つ者として、尊敬に値するのでした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・(あらすじは、東京新聞webサイトのハローペット欄を参考にさせて頂きました)
・リンク貼っておきます。興味を持った方は、ぜひどうぞ 右下、「ライフログ」にあります。
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by Mr-chirujirou | 2006-02-07 04:24 | 書物の森を散歩する