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『ブタがいた教室』

久しぶりに涙が止まらないような映画を観た

ブタがいた教室』。
 「食育」という枠を超えて、いのちそのものに真正面からぶつかった作品だ。

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『ブタがいた教室』_e0041624_22471620.jpg


さて、あまりにいい映画と出会って、感動がおさまらないうちにログを残そうと思ったけれど・・
今ここに、何が残せるだろう?

ある小学校の6年生の授業で、子ブタを育てて卒業前にお肉にして食べよう、という試みが始まって・・で始まるこの映画。最初こそ映画を観ている感覚こそあれ、後半に入るにつれドキュメンタリー番組を観ているように錯覚していた。

映画の中で、半年もたってブタに情のわいた子どもたちは議論を重ねる。
「やっぱりかわいそう」「でも最初から食べるという約束だった」
そんなこどもたちの議論は、やがて
「責任を持つとは何か」、「殺すことは本当に残酷なのか」、「生きるとは何なのか」・・・
ごくごく自然に、普段向き合うことのないテーマへと掘り下げられていった。

人が生きる上でからなず立ち向かわなければならない、「食と命」の命題。
食べるのはかわいそう、かわいそうじゃない・・そんな感情論から一歩だけ足を踏み出すきっかけと勇気は、どれだけの過程を経て得るものなのか。この映画は、そんな糸のように細い繊細なテーマを見事に映してくれている。

「Pちゃん(=飼っているブタ)の命の長さは、誰が決めるんですか?」
作中のこどもが口にした、この、そぼくな疑問。
――「いのち」と「食材」の境目は、誰が決めているのだろうか。―― 自分自身が映画『いのちのたべかた』を観た時に抱いた疑問と、まったく同じだった。この問題は避けては通れないらしい。


「食といのち」を考える上で、この映画は考えるべきテーマをしっかりと投げかけてくれる。
久しぶりに、"面白い"映画と出会った気がする。

リンク→ブタがいた教室
by Mr-chirujirou | 2009-04-22 22:43 | 映画を見よう