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MANUKA

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【やった。】

おのちゃんより借りて、読ませていただいた。
正直自分にとってかなりの傑作であった「流学日記」の後に、同ジャンルである旅行記を続けて読むのには抵抗があった。でも、そんな不安は読み始めてすぐに消え去た。
作品に引き込まれてしまった。

【やった。】_e0041624_21545264.jpg


【やった。 ―4年3カ月も有給休暇をもらって世界一周5万5000キロを自転車で走ってきちゃった男】

読書開始日:'05.11.中旬
読破日   :'05.11.24

『世界の人たちがどのように生き、何を感じ、考えているかを肌で知りたかった-。入社4年もたたずに4年以上の有給休暇を取り、自転車で43カ国、5万5000キロを走った著者が綴るエッセイ。』  --- amazonのレビューより。

岩本悠の「流学日記」が内面的な視点から描かれているのとは対照的に、「やった。」では、著者の感じた想いをそのまま、ありのままの視点で描ききっている。
旅行先での出来事・想いを、その場で真空パックにしたんじゃないかとホンキで思える作品だ。

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キーワードは「出会い」。
一人での世界一周のサイクリング。「一人で大変だったね」といわれると、それは違うと筆者は言う。筆者にとって出会いとはあらゆるものの「源」であり、「原点」であった。
出会いを重ねるごとにそれを「生きる力」に変え、出会いの度に、その出来事の根底に見える「変わらない何か」を吸収していったようだ。
筆者にとって出会いは、旅路の中で毎日の飯と同じくらい大切な原動力であり、自分の中に「変わらない信念」を作るために欠かせないパーツであったように思える。
「一人ではなかった」とはそういうことなのではないか。

やはり、出会いとは不思議だ。
自分では予測し得ない出会いが、自分の中で欠かせない存在となり、血肉となる。
でも、完全に予測できないわけではないようだ。最大限のアンテナを張り、変化を恐れず受け入れる心があれば、毎日の出会いですら意味のあるものに変わり、また自分に大きな変化をもたらすような出会いにも、自ずと遭遇できるのではないかと思う。

【やった。】は、「出会い」と、その度に描かれる「感謝」をちりばめた本だ。読んでよかった。
by Mr-chirujirou | 2005-11-28 22:35 | 書物の森を散歩する