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MANUKA

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養蜂場での仕事

たった1週間半の養蜂場での仕事だったけど、
自分だけの収穫にしておくのはもったいない。
いくつか、「養蜂」について記してと思う。
 
養蜂場での仕事_e0041624_1913971.jpg


ギスボンを拠点にしている「east coast honey」。
Beehive(蜂の巣)はだいたい30~40箱ずつ、約15箇所のギスボン周辺の山中(車で往復2-3h!!) に設置されていた。巣箱の総数はなんと600箱!
だから冬場といえど、仕事は山ほどある感じだった。

冬場の仕事は大きく分けると以下の5つになる。
①:巣箱のメンテナンス
主にweed control(雑草取り)と、状態の悪くなった巣箱のパーツの入れ替え。
これが主な仕事だと思う。単調作業だけど、これがないとこの仕事は維持できない。
牧歌的な草原地帯や山頂付近など、人が立ち寄らない場所に巣箱があることが多くて、単調作業といえど俺は十分楽しかった。
②:feeding(餌やり)
冬場は花が少ないため、実は冬場はミツバチのために餌を用意している。
液体砂糖を、巣箱本体の上のケースに補充するのも、①と同時進行の仕事だった。
ミツバチ君たちは花が十分に見つからないときは、ここから砂糖を取って、蜜をつくることになる。
③harvest(収穫)
残念ながら、短期の俺はこの仕事に遭遇できず。
収穫時(つまりミツバチを追い出して巣箱を持ち帰る作業) の写真を見せてもらったが、ものすごい数のミツバチの乱舞!そりゃそうだ、ハチからすればせっかく作った蜜が奪われてるんだから・・。ここが一番見ごたえのある場面のよう。んん、見れなくて残念。
④工場でのハチミツ抽出作業
一枚一枚の板がものすごく重い!そしてたっぷりハチミツを含んでいるのが一目で分かる。
ここでの仕事が、前回触れた「ハチミツ食べ放題!」の部分だ。
滴るハチミツをいくらでも食べれる。甘い甘い甘い。蜂蜜大好きの俺には聖地!
抽出過程は全て流れ作業で
一枚ずつ機械に設置すると、まず外側の“薄皮”の 部分が剥ぎ取られる(遠心機に掛けたとき蜜が弾き飛ばされやすくするため)。中の蜜はすでにボタボタ落ち始めていて、ここで俺はつまみ食いの嵐。も・もちろん手が空いたときだけ、ですが。
その板を人の手で取って、皮が完全に剥がれたか確認した後、遠心機にまとめて設置して全ての蜜を遠心作用で取り出す。
それから3つものタンクを通して、キレイな“蜂蜜”が出来上がり、というわけ。
⑤キャンドルメイキング
この過程が、俺が養蜂という仕事に引かれた理由だ。
抽出過程で、どうしても“WAX”と呼ばれるいわば残りカスが出る。
それらはすべて、なんとキャンドルになるというから驚き!
専用のタンクに入れられて、いくつかの材料と混ぜ合わせた後固めると、りっぱな蜂蜜キャンドルの出来上がり。蜂蜜色で、においもほのかにその香り。きっと火をつけるといい香りがするんだと思う。

強調すべきは、この一連の仕事を通してほとんどゴミがでない、ということ。
最後の最後、キャンドルメイキングの際に、タンク底部に溜まったカスが多少でるだけだ。
ハチミツ収穫量と比べれば、限りなくゼロに近いゴミの排出量。
自然の中で生きる仕事なんだな、と思いながらの1週間半だった。

しかし欠点もある。それは15箇所もの巣箱設置場所に行くのに、かなりのガソリンを消費することだ。④⑤以外、ほぼ毎日そこへ出かけるわけで、こればかりは手間・コスト・排気量どれをとっても悪いと言わざるを得ない。

養蜂主ピーターは事あるごとに「fuck! !」を連発してて、最初見た感じ少しアレだったが、
それでもこの仕事、予想以上にかなりの専門知識を要するよう。
ピーターも意外と芯のある人間だったし、中途半端ではやれない仕事だ。

この道に進みたい!とまではいかなかったけれど、

今後俺の人生の中に「養蜂」という視点が加わったことは間違いない。こうしてたくさんの視点を自分の中に加えていくこと。これがきっと俺の人生を楽しくするんだと思う。

(俺の使う“視点”というのは、つまりそれに興味を持って生活できるか、ごく自然に意識を払って生活できるか、ということ。知らないまま通り過ぎるより、気がついていろいろ考えをめぐらす方が生活が楽しくなるだろう、と俺は考えてる。)

次回は現在進行中の有機農業ファームについていろいろ書きたいと思う!
ではまた!

養蜂場での仕事_e0041624_19133690.jpg

by Mr-chirujirou | 2006-06-03 19:13 | NZ - 迷走中本編