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MANUKA

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ノースランド旅行

こんなに濃い一週間(01/aug~09/aug)は久しぶりだったかもしれない。
またちょっと後悔も残してしまったけど、反省もあり、楽しさも小さな幸せもたくさん見つけ、苦労もあったが全てがいい思い出だ。
今回のヒッチハイク2人旅、2つのトピックに絞って記事にしたい。

◆『ヒッチハイク』
有る程度のリスクは当然あるとはいえども、旅人の間ではとてもポピュラーな移動手段、ヒッチハイク。
実は今までに2回、一人で実行していた。だけど、ブログでは触れなかったはずだ。
2回とも、路上で親指を立ててからものの数分で車をキャッチでき、ドライバーにも恵まれ会話も弾み、全くと言っていいほど苦労はしていなかった。

しかし今回数え切れないほど(何回だろう?20回くらい?) ヒッチをして、その多くは苦労もなくスムーズだったのだけど、中にはとんでも無いところで降ろされたり、ビールを飲みながら運転するドライバーに拾われてしまったり、マリファナの匂いがする車に拾われたり、2時間たっても車をキャッチできなかったり・・・トンでもないが、全てが面白い思い出だ。(何事も無かったからこそ言えるということは重々承知している。)
もちろん素晴らしい人たちにも大勢会えたことは、付け加えておかなくてはなるまい。
拾ってくれたドライバーの多くは、海外旅行経験者かヒッチ経験者だった。

その中でも特に、ド田舎のハイウェイのど真ん中で下ろされてしまい、その後2時間も立ち往生したことは(今となっては)一番のいい思い出だ。
有名なKAURIフォレストを目指していた最中、「カウリフォレストの近くの家まで行くから乗っていきな」というおじさんの車をキャッチした。しかし降ろされたのはハイウェイのど真ん中。実はその家っていうのがファームで、町からもカウリからも20km近く離れている場所だったのだ。「じゃぁここからヒッチがんばってね」みたいな感じで別れるも、時は平日午前10時前、人のほとんど住まないノースランドの西海岸、しかも今は冬季で旅行者も少ないと言う悪条件が出揃い、ほとんどその後車が通らない。例え通ってもドライバーたちは笑顔で手を振るか、ごめんよーと申し訳なさそうに手で合図するか、どちらにせよ止まってくれる気配が無かった。
写真1 「羊でも何でもいいから止まってくれ!」
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この写真は道から少し外れたところで面白半分で撮ったものだ。2時間待ったとはいえ、快晴の天気とこれ以上無い穏やかな風景に恵まれて、(俺は少なくとも)退屈は感じなかった。

写真2 「車がこなくておかしくなる2人」
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写真3 「「waipoua」までお願い(ススキの矢印つき)」
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可笑しな写真ばかり撮っていた気がする。それだけ、暇だった。
しかし、この苦労(!?) のかいあって、一生記憶に残るであろう目的地カウリフォレストを体験することになる。

◆『カウリの木』
「畏敬の念」という、見事な言葉が日本語にある。
恐れ敬うという気持ちを、カウリの巨木が教えてくれた。

カウリとは、NZでしか見られない、世界でも最大級の巨木を形成する木の一種のこと。
実は以前にも、warkworthという町のはずれで樹齢800年のカウリを見たことがあった。
そのとき、地球上にはこんな大木があるのかと驚き、ひどく感激したのを今でも覚えている。初めてのカウリとの対面であったし、今まで見た木の中で最大級だったから、よく覚えている。
しかし、違った。何が違ったかって、自分の想像力は小さなものだということを認識できていなかったこと。そして、そんなちっぽけな想像をはるかに超える巨木が、地球上に存在するということを認識できていなかったということだ。

写真4 「2000歳のカウリ、“Tane Mahuta”」
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この樹齢2000年の木を最初に見たとき、あっといったきり声が出なかった。
地球の中心まで根が届きそうな、巨木。それが突然視界に現れ、俺は見上げることしかできなかった。地球というのは条件さえそろえば、とてつもないものを創り上げることができるらしい。人間がこのNZの地に住み着くずっとずっと昔から、この場所に立ち続けていた、カウリの木。畏敬の念とは、こういった地球の代理人に対して、もっとも適切な感情ではないか。

そして。まったく驚くべきことに、さらに大きなカウリが存在した。
このカウリ、見た瞬間にへたへたと座り込んでしまいたくなるような、圧倒的な存在感を持っている。地球が生んだ、大きな大きな、生命だ。
この木を視界に入れた瞬間を、俺は生涯忘れることはないだろう。

写真5,6 「横幅最大のカウリ、“Te Matua Ngahere”」
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残念ながら、その存在感まで、写真では写し取ることが出来ない。実際に見ていただくほか無い。

余談だけど、この巨大なカウリにして、「世界最大」の名札を見ることができない。世界最大ではない、ということだろうか。あくまで世界最大級なのか。
この地球のどこかに、世界で一番大きな木が存在する。次への連鎖の布石が、ここにも一つできた。いつかきっと、この目で確かめに行こう。

最後に。
一緒に旅をしてくれたドイツ人のアナに、本当にありがとうと言いたい。
心をいつでも開くことができる人といることは、俺にとって大きな大きな刺激になる。
いつか、南ドイツへ訪ねに行きたいものだ。
by Mr-chirujirou | 2006-08-10 21:39 | NZ - 迷走中本編